コラム

相続した広島市の不動産売却|税金で損しないための完全ガイド

相続した広島市の不動産売却|税金で損しないための完全ガイド

親から実家を相続したものの、「住む予定もないし、どう売れば損をしないのか分からない」と手が止まっていませんか。相続した不動産の売却は、通常の売買と違って税金や登記のルールが複雑に絡み、知らないまま進めると本来払わずに済んだ税金を負担してしまうことも珍しくありません。

この記事では、広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDが、相続した広島市の不動産を売るときにかかる税金の仕組みと、負担を抑えるために使える特例・控除、そして実際の進め方までを一本のガイドにまとめました。全体像を先につかんでおけば、いつ・何から動けばよいかが自然と見えてきます。

 

相続した不動産の売却でまず押さえたい全体像

相続不動産の売却は、思い立ってすぐに売れるものではありません。理由は、売却の前提として「名義を自分に移す手続き(相続登記)」が必要になるからです。まずは全体の流れと、近年変わったルールを押さえておくと、後の動きがスムーズになります。

相続登記から売却までの基本ステップ

相続した不動産を売るまでには、いくつかの決まった手順があります。順番を知らずに動くと、途中で書類の不備や相続人間の意見のずれが発覚し、売却が大きく遅れることもあります。

一般的な流れは、次のとおりです。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

ステップ 主な内容
1. 遺産分割協議 誰がその不動産を相続するかを相続人全員で決める
2. 相続登記 法務局で不動産の名義を相続人へ変更する
3. 査定・媒介契約 不動産会社に価格査定を依頼し、売却を委託する
4. 売却活動・契約 買主を探し、売買契約を結ぶ
5. 引き渡し・確定申告 決済後に引き渡し、翌年に譲渡所得を申告する

特に見落としがちなのが、被相続人名義のままでは買主への所有権移転登記ができず、売却の決済・引き渡しまでに相続登記を済ませておく必要があるという点です。実務上は、売却活動や契約に入る前の段階で名義を整理しておくと安全です。

「相続登記の義務化」で何が変わったのか

以前は相続登記に期限がなく、名義変更をせずに放置されるケースが多くありました。ところが2024年4月から相続登記が義務化され、状況が大きく変わっています。

具体的には、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請を行うことが義務となり、正当な理由なく期限内に申請しないと、10万円以下の過料が科される可能性があるというルールになりました。さらに、2024年4月1日より前に相続したことを知っていた未登記の不動産も対象で、この場合は原則として2027年3月31日までに相続登記を行う必要があります。「まだ名義を変えていない」という物件を持っている方は、早めの対応が欠かせません。

出典:相続登記の申請義務化に関するQ&A|法務省

✓ポイント:相続不動産の売却は「遺産分割 → 相続登記 → 売却」という順番が基本で、登記を飛ばして売ることはできません。相続登記の義務化により放置のリスクも高まっているため、売る・売らないを問わず、まずは名義の整理から着手するのが安全な進め方になります。

 

相続不動産の売却でかかる税金の基礎知識

相続した不動産を売って利益が出ると、その利益に対して税金がかかります。ここを理解しないまま売却額だけを見て判断すると、手元に残る金額が想定より大きく減ってしまうことがあります。まずは税金の全体構造を押さえておきましょう。

売却益にかかる「譲渡所得税」の仕組み

不動産を売って生じた利益には、「譲渡所得税」(所得税・復興特別所得税・住民税の総称)がかかります。ここで課税の対象になるのは売却価格そのものではなく、あくまで手元に残る「利益」の部分です。

譲渡所得は、次の式で計算します。

譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除

取得費とは、その不動産を買ったときの価格や購入時の諸費用のこと。なお、建物の取得費は購入代金をそのまま使うのではなく、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。譲渡費用にできるのは、仲介手数料や、売却のために直接必要となった解体費などです。通常の修繕費や固定資産税、維持管理費は、原則として譲渡費用には含まれません。

相続した不動産では購入当時の資料が見つからないことも多いのですが、その場合は取得費を「譲渡価額の5%(概算取得費)」として計算できる仕組みがあります。ただし概算取得費は実額より低くなりがちで税額が増えるケースもあるほか、概算取得費を使う場合は相続人が支払った登記費用などを別途取得費に含められない点にも注意が必要です。まずは購入時の契約書や領収書を探すことが第一歩になります。

出典:No.3255 譲渡費用となるもの|国税庁

所有期間で変わる税率(長期・短期)

譲渡所得税でまず理解しておきたいのが、税率が一律ではないという点です。その不動産をどれだけの期間所有していたかによって、税率が大きく変わります。

区分と税率の目安は、以下のとおりです。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

区分 所有期間の目安 税率(所得税+住民税、復興特別所得税含む)
短期譲渡所得 5年以下 約39.63%
長期譲渡所得 5年超 約20.315%

同じ利益でも、短期と長期では税率が2倍近く変わります。ここで重要なのが、所有期間は「売った年の1月1日時点」で判定されるという点です。年末に急いで売るより、年をまたいで長期の区分に入ってから売却したほうが有利になる場合もあります。

出典:No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁

相続不動産ならではの「取得日・取得費の引き継ぎ」

相続した不動産には、通常の売買にはない大きな特徴があります。それは、所有期間や取得費を、亡くなった被相続人の分から引き継げるという点です。

つまり、相続してから自分が持っていた期間が短くても、被相続人が長く所有していた不動産であれば、長期譲渡所得(約20.315%)の低い税率が適用されるケースが多くなります。取得費についても被相続人が買ったときの金額を引き継げるため、購入当時の契約書が残っていれば、概算取得費(5%)よりも有利に計算できる可能性があります。相続だからこそ使えるこの引き継ぎルールは、税額を左右する重要なポイントです。

出典:No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期|国税庁

✓ポイント:譲渡所得税は「利益」に対してかかり、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わります。相続不動産は被相続人の所有期間と取得費を引き継げるため、多くの場合は長期の低い税率が使えます。売却前に購入時の資料を探し、取得費を正確に把握しておくことが、無駄な税負担を避ける近道です。

 

税金で損しないために活用したい特例・控除

相続不動産の売却では、税負担を軽くするための特例がいくつか用意されています。制度を知らずに申告すると、本来受けられたはずの控除を取りこぼしてしまいます。ここでは代表的な二つの特例と、使うときの注意点を紹介します。

相続税の取得費加算の特例

相続税を納めた方が使える可能性があるのが、「取得費加算の特例」です。これは、支払った相続税の一部を売却時の取得費に上乗せできる制度で、取得費が増える分だけ譲渡所得が圧縮され、結果として譲渡所得税が軽くなります。

この特例には期限があり、相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡することが条件です(相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内のため、実質的には相続開始から約3年10か月以内が目安になります)。相続税を納めた不動産を売る予定があるなら、この期間内に動くだけで税負担が変わってきます。相続税がかからなかった場合は対象外となるため、まずは自分が相続税を納めているかどうかを確認してみてください。

出典:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁

空き家の3,000万円特別控除

相続した実家を売るときに特に大きな効果を持つのが、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、いわゆる空き家の3,000万円特別控除です。要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けるため、売却益がその範囲内に収まれば税負担をゼロに近づけられる可能性もあります。

主な要件を整理すると、次のようになります。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

項目 主な要件
建物 昭和56年5月31日以前に建築され、区分所有建物でないこと
居住状況 相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと(老人ホーム入所など一定の場合も対象)
利用状況 相続の時から譲渡の時まで、事業・貸付・居住に使われていないこと
売却の方法 家屋を売る場合は譲渡時に一定の耐震基準を満たすこと。満たさない場合は耐震改修後に売るか、取り壊して更地で売ること(令和6年1月1日以後の譲渡では、譲渡後その翌年2月15日までに耐震改修または取り壊しを行う場合も対象になり得る)
売却相手 親子・夫婦など特別の関係がある人への売却でないこと
他の特例 同じ家屋・敷地について取得費加算の特例など他の特例を受けていないこと
期限 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ令和9年(2027年)12月31日までの売却
金額 売却代金が1億円以下であること

近年の改正で使い勝手も広がっており、令和6年からは、買主が引き渡し後の翌年2月15日までに耐震改修または取り壊しを行う場合でも対象になりました。一方で、相続人が3人以上の場合は、一人あたりの控除額が2,000万円に縮小される点には注意が必要です。

出典:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁

特例を使うときに気をつけたいこと

特例は強力な反面、要件が細かく、併用の可否や有利・不利の判断が難しいのが実情です。うっかり要件を外すと、思っていた控除がまるごと使えなくなることもあります。

たとえば、空き家特例を使うには市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要で、そのための書類集めにも時間がかかります。また、同じ家屋・敷地については、空き家の3,000万円特別控除と相続税の取得費加算の特例を原則として併用できません。そのため、両方の適用余地がある場合は、税額を試算したうえで有利なほうを選ぶ必要があります。判断に迷うところなので、売却の方針が固まった段階で税理士など専門家に試算を依頼するのが確実です。

✓ポイント:相続不動産の売却では、「取得費加算の特例」と「空き家の3,000万円特別控除」という二つの制度が税負担を大きく左右します。どちらも期限や要件が厳格で、相続人の人数や売却方法によって使える金額が変わるため、売る前に適用可否を確認し、必要なら専門家に相談しておくことが損を防ぐ鍵になります。

 

広島市で相続不動産を売却するときの進め方

税金の知識を押さえたら、次は実際にどう売るかです。同じ相続不動産でも、売り方やタイミング、パートナー選びによって最終的な手取りは変わってきます。ここでは広島市で売却を進めるときの視点を整理します。

売却のタイミングと市場の見極め

売却で後悔しないためには、税金の期限と市場の状況の両方を見て動くことが大切です。特例の期限に間に合わせようと焦って安値で手放すのも、逆に相場を気にしすぎて期限を逃すのも、どちらも損につながります。

広島市は再開発の進む中心部と、落ち着いた住宅地が混在するエリアです。物件の立地によって買い手の付きやすさや価格帯は大きく異なるため、まずは複数社に査定を依頼し、相場観をつかむところから始めるとよいでしょう。特例の適用期限から逆算して売却スケジュールを組むと、税制メリットを取りこぼさずに進められます。

信頼できる不動産会社の選び方

相続不動産の売却は、税金・登記・相続人間の調整など、通常の売買以上に配慮すべき点が多い取引です。だからこそ、相続案件の扱いに慣れた不動産会社をパートナーに選ぶことが、スムーズな売却の分かれ道になります。

査定額の高さだけで選ぶのではなく、根拠のある価格提示ができるか、税理士や司法書士と連携して手続き全体をサポートできるか、地域の相場や買主の動きに詳しいかといった点を確認したいところです。地域に根ざした会社であれば、広島市ならではのエリア特性を踏まえた売却戦略を描いてくれます。

 

まとめ:相続不動産の売却は「税金の知識」と「早めの準備」が鍵

ここまで、相続した広島市の不動産を売るときにかかる税金の仕組みと、負担を抑える特例、そして進め方を見てきました。要点をまとめるなら、譲渡所得税の仕組みを理解し、取得費や特例を正しく使い、期限から逆算して早めに動くことが、損をしない売却の条件になります。

相続不動産の売却は、相続登記から始まり、譲渡所得税の計算、特例の適用判断、そして売却活動と、いくつもの工程が絡み合います。一つひとつは難しく見えても、順番に押さえていけば決して手に負えないものではありません。大切なのは、期限のある特例を逃さないよう、早い段階で全体像を描いておくことです。

広島市で相続した不動産の売却をお考えの方は、まず信頼できる相談先を持つところから始めてみてください。広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDは、地域密着の立場から、税務上の確認ポイントを整理し、必要に応じて税理士・司法書士などの専門家と連携しながら、売却の実行までサポートします。判断に迷ったときは、ぜひ気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な税制の解説であり、個別の税額や特例の適用可否は状況によって異なります。実際の申告にあたっては、税理士など専門家への確認をおすすめします。

監修者情報 監修者情報 株式会社ASULAND
代表取締役 伊茂治 直毅
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