コラム

中古でも狙える!広島市の収益物件で利回り10%を目指す方法

中古でも狙える!広島市の収益物件で利回り10%を目指す方法

地方都市での不動産投資で、「高利回りと安定稼働の両立は難しい」と感じている方は多いのではないでしょうか。利回りの高い物件は郊外の築古ばかりで、都心部は価格が上がって数字が出ない。そんなジレンマは珍しくありません。

先に結論をお伝えすると、広島市内でも築年数や立地、稼働状況によっては表面利回り10%前後で売り出される中古収益物件があります。ただし10%は広島市全体の一般的な水準を示すものではありません。空室、修繕費、管理費、固定資産税、購入諸費用を差し引くと、手元に残る利回りは表面利回りを下回るのが通常です。

だからこそ10%は、需要構造を読み、物件の弱点を価格に織り込み、運用と出口まで設計した先に近づく目標といえます。広島市の不動産売却・投資をサポートしてきた株式会社ASULANDの視点から、市場の読み方と物件選定、運用とリスク対策を整理します。

本記事で使う「利回り」の定義

  • 表面利回り:年間家賃収入 ÷ 購入価格。経費も購入諸費用も含まない
  • 満室想定利回り/現況利回り:満室想定の家賃で計算したものと、実際の入居家賃で計算したもの
  • 実質利回り:管理費・修繕費・税金・空室損を引き、購入諸費用を含む総投資額で割ったもの
  • 返済後キャッシュフロー:実質的な収入から融資返済額を引いた手残り

売出資料の「利回り」は多くの場合、満室想定の表面利回り。以降の10%も表面利回りを指します。

 

広島市の中古収益物件で利回り10%が狙える理由

投資家が広島市に注目する理由は、政令指定都市としての賃貸需要と、大都市圏より抑えられた物件価格の組み合わせにあります。ただし需要も価格も市内で一様ではなく、区ごとに方向が分かれます。この差を読み分けられるかが、数字の再現性を左右します。

広島市内における賃貸需要と世帯数の動向

賃貸経営の土台は人口ではなく世帯数です。2025年国勢調査の速報値では、広島市の人口は2020年比で2.4%減った一方、世帯数は1.3%増えて562,105世帯となりました。人口が減っても世帯が細分化すれば、必要な住戸数そのものは減りにくいという構造が読み取れます。

ただし増減の方向は区で分かれています。

  • 世帯数が増えた区:中区(4.7%増)、佐伯区(2.8%増)、安佐南区(2.7%増)、南区(1.7%増)
  • 世帯数が減った区:安佐北区(2.8%減)、西区(0.9%減)、安芸区(0.8%減)

単独世帯の増加も見込まれ、単身向け住戸の需要を下支えします。ただし単独世帯には持ち家の高齢単身者なども含まれ、全員が民間賃貸を利用するわけではありません。物件周辺の賃貸世帯数、募集戸数、成約賃料、空室期間まで確認してください。

✓ポイント:市全体の人口推移だけで「地方だから縮小」と判断するのは誤りですが、市全体の世帯数増加だけで「どの区も堅調」と考えるのも同じくらい危険です。見るべきは区・沿線レベルの動向です。

出典:令和7年国勢調査結果(人口速報集計結果)|広島市

新築物件と比較した中古物件の価格構造

利回りを優先するなら、選択肢は実質的に中古物件へ絞られます。新築は建築コストの上昇分が販売価格に反映されるため、同じ家賃水準でも取得価格が高くなり、表面利回りは中古より低くなる傾向があります。

中古物件は、価格が下がっても家賃が同じ比率では下がりません。築20年を超えると賃料の下落幅が緩やかになり、価格だけが先に調整される局面が生まれます。この価格と家賃の下落スピードのズレが、中古物件の利回りを押し上げる要因です。年間家賃収入200万円の物件なら、2,000万円で取得できれば表面利回りは10%、3,000万円なら6.7%になります。

一方で地価は上昇が続いています。2025年の地価調査における広島市の平均変動率は住宅地1.8%、商業地4.2%。区別では中区の住宅地4.9%、南区の商業地5.9%が市平均を上回りました。取得価格が一律に割安とはいえない局面であり、特に都心部では価格上昇が利回りを圧縮する方向に働きます。

出典:広島市の地価動向等について|広島市

 

高利回りを実現しやすい広島市内の注目エリア

エリア選定は、「利回りの高さ」と「稼働の安定性」のどちらを主軸に置くかで変わります。広島市内では、都心部・主要沿線で安定性を取る戦略と、郊外・大学周辺で利回りを取る戦略が現実的です。

単身者需要が集中する都心部および主要沿線エリア

中区(紙屋町・八丁堀周辺)、南区(広島駅周辺)、西区(横川・西広島)は、通勤利便性の高さから単身者の需要が集まります。中区はオフィス集積による転勤者・法人契約の需要が厚く、南区は広島駅周辺の再開発で交通結節点としての価値が上昇。両区は世帯数も増えており、稼働の安定性という点で読みやすい立地です。

ただし取得価格が高くなりやすく、郊外の築古物件と比べると表面利回りは低くなる傾向があります。都心部で二桁を狙うなら、築年数の古い物件や駅から距離のある立地が候補です。

手頃な価格帯で安定稼働が見込める郊外・大学周辺エリア

利回りを優先するなら、安佐南区や佐伯区が候補に入ります。取得価格が都心部より抑えられるため、同じ家賃水準でも利回りが高く出る計算です。両区はいずれも世帯数が増加しており、郊外でも需要の方向が下向きではありません。

安佐南区はアストラムライン沿線に住宅地が広がり、複数の大学が立地。佐伯区にも大学があり、学生向けのワンルーム需要が形成されています。学生需要はサイクルが読みやすい反面、繁忙期を外すと空室が長引くため、募集時期の設計が重要です。なお同じ郊外でも安佐北区と安芸区は世帯数が減っており、同列には扱えません。

✓ポイント:郊外・大学周辺は高利回りを取りやすい一方、需要源が特定の施設に依存しがちです。その施設がなくなっても最低限の需要が残るかという視点で検証してください。

 

利回り10%を狙うためのターゲット物件の選び方

高利回り物件の選定で失敗する典型は、売出資料の表面利回りだけで判断してしまうパターンです。その数字が取得時だけのものか、10年後も維持できるものかを分けるのは、築年数・構造・管理履歴の総合判断にあります。

価格と耐久性のバランスから考える築年数・構造の見方

まず整理したいのが法定耐用年数の意味です。税務上の法定耐用年数は住宅用の場合、木造22年、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造47年、金属造は骨格材の肉厚が4mm超で34年、3mm超4mm以下で27年と定められています。これは減価償却の期間であり、建物の物理的な寿命ではありません。

金融機関が残存耐用年数を審査材料にすることはありますが、融資期間はそれだけで決まりません。審査方針、担保評価、土地価格、借主の属性、収支の余力、自己資金比率などが総合的に影響します。

耐震性の確認手順は次のとおりです。

  • 1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物かどうかを確認する
  • 登記上の建築年月だけで判断せず、建築確認済証、検査済証、建築計画概要書などを照合する
  • 木造の在来軸組工法については、2000年6月1日の仕様規定明確化も確認材料になる

築年数だけで狙い目は決まりません。構造、土地評価、修繕履歴、法令適合性、融資条件を合わせて判断します。

出典:主な減価償却資産の耐用年数表|国税庁

修繕履歴と管理状態から見極める掘り出し物件の条件

同じ築年数でも状態には大きな差が生まれます。決め手になるのは、これまでどう手入れされてきたかという履歴です。

  • 屋上防水・外壁塗装の実施年と工事内容、給排水管の更新状況
  • 修繕積立金の残高と長期修繕計画の有無(区分所有の場合)
  • 共用部の清掃状況、ゴミ置き場の管理、掲示物の更新頻度

修繕周期は工法や劣化状況、立地環境で異なります。国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでも、外壁塗装や屋上防水の周期例を12〜15年程度としつつ、時期はおおよその目安であり立地条件等により異なると明記されています。同ガイドラインは分譲マンションを主な対象としており、一棟賃貸物件にそのまま当てはめることはできません。年数ではなく現地調査と工事記録で判断してください。

✓ポイント:価格が安い背景には必ず理由があります。立地や築年数なら価格に織り込むしかありませんが、管理不全による空室や賃料設定のミスなら購入後の改善余地が残ります。安さの理由を分解し、自分で解決できるかを見極める作業が掘り出し物件への近道です。

出典:長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン|国土交通省

 

購入後に利回りを維持・改善させる運用戦略

取得時の数字は運用の質で上下します。1戸のみを所有して2か月空室になれば年間家賃収入は約16.7%減少しますが、一棟物件では空室戸数と賃料構成で影響率が変わり、10戸のうち1戸が2か月空くケースなら影響は2%程度です。

高い稼働率の維持は、想定した利回りの低下を防ぐ取り組みにあたります。数字そのものを押し上げるには、賃料や付帯収入を増やす、取得価格を抑える、運営費を削って実質利回りを改善するといった変化が必要です。

空室期間を短縮するコストパフォーマンス重視のリノベーション

原状回復を超える工事は費用と効果の関係で判断します。投資額を賃料上昇分で3〜5年以内に回収できるかという目安の一例はありますが、実際には空室期間の短縮効果や再募集時の競争力も含めた個別の検証が必要です。

  • 費用対効果が高い工事:アクセントクロス、照明器具や水栓の交換、モニター付きインターホン
  • 効果が読みにくい工事:フルスケルトンリノベーション、間取り変更、高級設備の導入
  • 訴求力の高い設備:室内洗濯機置場、独立洗面台、宅配ボックス、インターネット無料

募集条件の見直しだけで反響が変わるケースもあります。工事の前に賃料設定と初期費用を再点検する順序が合理的です。

地元の賃貸市場に強い管理会社とのパートナーシップ構築

遠方に住むオーナーにとって、管理会社の力量は収益を左右する重要な因子です。広島市内では、地場の仲介ネットワークをどれだけ押さえているかが客付けスピードに表れます。

  • 管理物件の平均空室期間と入居率の実績を数字で開示できるか
  • 募集図面の作り方、写真の質、掲載媒体の範囲
  • 原状回復見積の透明性と、報告頻度・トラブル時の初動の速さ

管理料が3%か5%かの差は年間で数万円ですが、空室が1か月延びれば家賃1か月分がまとめて失われます。手数料の安さではなく、繁忙期に確実に決めてくる体制があるかを複数社の比較で見極めてください。

 

高利回り中古物件投資で注意すべきリスクと対策

高い利回りには必ず対価があります。中古物件で想定すべき代表的なリスクは、想定外の修繕費と出口での売却難。この2点を購入前に数値化できているかが、机上の数字と手残りの差を決めます。

大規模修繕リスクを事前に把握する建物調査とデューデリジェンス

宅地建物取引業法上の建物状況調査(インスペクション)は、国の登録講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について目視・計測・非破壊検査を行う調査です。所要時間は規模により1〜3時間程度、費用は6万円程度からが目安とされています。

重要なのは、この調査がすべての瑕疵がないことを保証するものではない点です。消防設備の適法性、電気容量、給排水設備の残存寿命、法令違反の有無などは標準的な範囲の外にあります。一棟収益物件では、給排水・電気・消防設備や法令適合性を別途専門家へ依頼する前提で考えてください。

調査結果は価格交渉の根拠にもなります。修繕が必要な箇所の費用を価格に反映させる交渉ができれば、実質的な収益は購入前に改善できるという発想を持ちたいところです。

出典:建物状況調査(インスペクション)活用の手引き|国土交通省

出口戦略を見据えた資金計画と融資条件の最適化

高利回り物件は築年数が古いことが多く、次の買い手が融資を受けにくいという課題を抱えます。売りたいときに売れない状況を避けるには、購入時点から出口を設計しておく必要があります。

  • 土地値に対する購入価格の比率を確認し、土地の価値で下支えできる物件を選ぶ
  • 変動金利の場合、金利が1〜2%上昇した際の返済額を試算しておく
  • 再建築の可否や接道条件など、次の買い手の融資に影響する要素を確認する

税務面では、個人が所有する土地・建物の売却について、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合に長期譲渡所得となり、所得税15%(および住民税5%、復興特別所得税)が課されます。取得日から5年経過していれば足りるわけではなく、法人所有では扱いが異なるため、税理士への確認が前提です。

✓ポイント:出口で困る投資家の多くは「いくらで買えるか」だけを考え、「いくらで売れるか」を検討していません。土地の評価額、再建築の可否、次の買い手が組める融資の姿を想定しておけば、リスクは大きく下がります。

出典:長期譲渡所得の税額の計算|国税庁

 

正しい知識と戦略で広島市の中古収益物件投資を成功させよう

広島市の中古収益物件で利回り10%を目指す道筋は、①区・沿線レベルで需要を読む、②都心部と郊外で戦略を切り分ける、③築年数・構造・管理履歴を総合して物件を絞る、④運用と管理会社選定で稼働を守る、⑤建物調査と出口設計でリスクを抑える、の5工程に集約されます。

忘れてはいけないのは、売出資料の表面利回りと、経費と返済を引いた後に手元へ残る金額は別物だということ。10%を追うなら、表面ではなく実質の数字で判断する姿勢が欠かせません。

株式会社ASULANDは、広島市を中心に不動産の売却と投資をサポートしてきました。物件の見極めから購入後の運用、将来の売却まで、地元の市場を知る立場からお手伝いできる領域は少なくありません。広島市での収益物件投資をご検討中でしたら、まずは保有物件の状況や投資方針をお聞かせください。

監修者情報 監修者情報 株式会社ASULAND
代表取締役 伊茂治 直毅
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