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スタッフブログ
広島の不動産売却・不動産投資をお手伝いする、株式会社ASULANDのスタッフブログです。当社からのお知らせも掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
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新着情報 2026/10/07
40代を迎え、老後資金や将来の資産形成を考えて不動産投資に関心を持つサラリーマンの方が増えています。一方で、「地方都市でどの物件を選べば失敗しないのか」と迷い、なかなか一歩を踏み出せない方も少なくありません。
結論からお伝えすると、広島市でリスクを抑えながら資産形成を進めるには、エリア・物件種別・資金計画・出口までを一貫した基準で選ぶことが欠かせません。広島市は再開発によって都心部の魅力が高まっている反面、区ごとに人口や世帯数の動きが大きく異なるためです。実際に2025年の国勢調査では、市全体の人口が減少するなかで中区は人口が増え、安佐北区や安芸区は6%台の減少となりました。
本記事では、広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDが、広島市の不動産市場の特徴、サラリーマンが優先して確認すべき収益物件の条件と資金計画、運用上のリスク対策、そして将来の売却を見据えた考え方までを順に解説します。
目次
- 1. 広島市がサラリーマンの資産形成において魅力的な理由
o 約117万人の都市規模と再開発、エリアごとに異なる人口・世帯動向
o 他都市と比較した利回り水準と物件取得のしやすさ - 2. サラリーマンが優先して選ぶべき収益物件の条件
o 賃貸需要を見込みやすい広島市内のエリアと交通利便性
o 本業と両立しやすい物件種別と無理のない資金計画
o 長期運用と売却を見据えた築年数・利回りのバランス
o 購入前に確認したい5つの収支チェック項目 - 3. 広島市での不動産投資で避けるべきリスクと事前の対策
o 空室期間を最小限に抑える賃貸管理会社の選び方
o 突発的な出費を防ぐ修繕計画と資金手当て - 4. 不動産オーナーが知っておくべき資産組み換えと売却のタイミング
o 保有物件の価値を最大化する売却時期の判断基準
o 地場に強い不動産会社を活用した出口戦略の立て方 - 5. まとめ:広島市の優良物件を見極めて着実な資産形成を進めよう
広島市がサラリーマンの資産形成において魅力的な理由
広島市は、中四国最大の都市規模と、大都市圏とは異なる利回り水準を持つ市場です。官公庁や企業の支店が集まる中枢都市でありながら、投資家が期待する利回りは東京や大阪より高い水準にあります。ただし、市全体の数字だけでは判断できない点もあるため、人口・世帯の動きと利回りの両面から整理します。
約117万人の都市規模と再開発、エリアごとに異なる人口・世帯動向
広島市は1980年に政令指定都市へ移行し、2025年の国勢調査では1,171,915人の人口を有しています。2020年からの5年間で市全体の人口は2.4%減少した一方、世帯数は1.6%増えました。単身世帯や少人数世帯の増加がうかがえる数字で、賃貸住宅の需要を考えるうえで見逃せないポイントです。
区ごとの動きには、はっきりとした差があります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
区 人口の増減率(2020→2025年) 世帯数の増減率(2020→2025年) 中区 +1.0% +5.1% 南区 △1.6% +1.9% 安佐南区 △1.3% +3.2% 佐伯区 △1.3% +3.0% 西区 △2.8% △0.6% 東区 △3.3% +0.4% 安芸区 △6.2% △0.5% 安佐北区 △6.3% △2.3% 都心部では再開発も続いています。2024年2月にサッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」が開業し、2025年3月には広島駅の新しい駅ビル「minamoa」がオープンしました。同年8月には路面電車が駅ビルへ直接乗り入れる駅前大橋ルートも開業しています。
とはいえ、再開発がそのまま賃料や物件価格の上昇につながるとは限りません。再開発の話題だけで判断せず、周辺の人口・世帯数・賃料相場・成約価格を確認することが大切です。
他都市と比較した利回り水準と物件取得のしやすさ
日本不動産研究所の「第54回 不動産投資家調査(2026年4月現在)」では、賃貸住宅一棟の期待利回りについて次の結果が示されています。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
地区 ワンルームタイプ ファミリータイプ 東京・城南 3.6% 3.7% 大阪 4.2% 4.3% 福岡 4.5% 4.5% 仙台 5.0% 5.0% 広島 5.0% 5.1% 広島は、調査対象の主要都市のなかでも期待利回りが高い水準にあります。ただし、これは投資家へのアンケートに基づく期待値であり、個別物件の実際の利回りや成約価格を示すものではありません。同調査では、今後の不動産投資市場のリスク要因として金利の上昇を挙げた回答が最も多く、利回りと借入コストをあわせて見る視点も欠かせません。
大都市圏とは価格帯や期待利回りの水準が異なるため、広島市ならではの相場感を持って物件を比較することが重要です。
出典:第54回 不動産投資家調査(2026年4月現在)|一般財団法人日本不動産研究所
✓ポイント:広島市は人口が緩やかに減る一方で世帯数は増えており、中区や安佐南区のように世帯が伸びるエリアと、人口・世帯ともに減るエリアに分かれています。期待利回りは東京・大阪より高い水準ですが、金利上昇の影響も受けるため、区ごとのデータと借入条件を組み合わせて判断することが資産形成の出発点になります。
サラリーマンが優先して選ぶべき収益物件の条件
本業を持つサラリーマンが優先すべきなのは、手間が少なく、貸し続けやすく、売却時にも買い手を見つけやすい物件です。運用に割ける時間が限られる以上、物件選びと資金計画の段階でリスクを減らしておく必要があります。ここでは、エリア・物件種別・築年数・収支の4点から条件を整理します。
賃貸需要を見込みやすい広島市内のエリアと交通利便性
賃貸需要を左右する大きな要素が交通利便性です。広島市ではJRに加え、路面電車(広島電鉄)やアストラムラインが日常の移動手段として使われているため、駅だけでなく電停からの距離も判断材料になります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
エリア 主な特徴 想定される入居者 中区(紙屋町・八丁堀・幟町周辺) オフィス街・商業地に近く、路面電車の利便性が高い 単身の会社員、DINKS 南区(広島駅周辺・段原など) 駅周辺の再開発が進み、新幹線も利用しやすい 転勤者、出張の多い会社員 西区(横川・己斐周辺) JRと路面電車が使え、生活利便施設が充実 単身者、若いファミリー 安佐南区(アストラムライン沿線など) 大学が点在し、世帯数も増加している 学生、ファミリー ただし、人気エリアであっても空室が出ないわけではありません。賃料設定や築年数、間取り、周辺の新築供給によって入居状況は変わります。また、安佐南区や安佐北区の一部には傾斜地が多く、2014年8月には大規模な土砂災害も発生しました。購入前には、広島市が公表しているハザードマップで土砂災害警戒区域や浸水想定区域に入っていないかを確認しておく必要があります。
本業と両立しやすい物件種別と無理のない資金計画
サラリーマンの最初の物件としては、管理の手間が少ない区分マンションや、小規模な一棟アパートが候補になります。物件種別ごとの違いは次のとおりです。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
物件種別 初期費用 管理の手間 空室時の影響 向いている方 区分マンション 少ない 少ない(建物は管理組合が管理) 大きい(収入がゼロになる) 少額から始めたい方 一棟アパート 中程度 中程度 分散できる 収益規模を広げたい方 一棟マンション 大きい 多い 分散できる 経験と資金に余裕がある方 戸建て賃貸 少〜中程度 中程度 大きい 長期入居を狙いたい方 融資については、安定した給与収入は審査で確認される要素の一つです。ただし、融資条件は年収や勤務先、勤続年数、既存の借入、自己資金、物件の収益性や担保評価、金融機関の方針によって異なります。必要な自己資金や登記費用・仲介手数料などの諸費用も、物件や金融機関ごとに変わります。家賃収入から返済と経費を差し引いても手元に資金が残る借入額に抑えることが、本業と両立できる運用につながります。
長期運用と売却を見据えた築年数・利回りのバランス
表面利回りの高さだけで物件を選ぶのは避けたほうがよいでしょう。築古物件は利回りが高く見える反面、修繕費がかさみやすく、次の買主が融資を受けにくい場合もあるからです。
税務上の減価償却を考える際に重要なのが、建物の法定耐用年数です。住宅用の建物は、構造によって次のように定められています。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
構造 法定耐用年数(住宅用) 木造・合成樹脂造 22年 金属造(骨格材の肉厚3mm以下) 19年 金属造(骨格材の肉厚3mm超4mm以下) 27年 金属造(骨格材の肉厚4mm超) 34年 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 47年 金融機関によっては、構造や築年数、残存耐用年数を融資期間の判断材料とする場合もあります。とはいえ、融資期間が法定耐用年数だけで決まるわけではありません。
物件を比較するときは、管理費・固定資産税・修繕費などを差し引いた実質利回りで判断することが大切です。あわせて、10年後に売却する場合の築年数や、その時点で買主が融資を利用しやすいかまで想定しておくと、出口で困るリスクを減らせます。
購入前に確認したい5つの収支チェック項目
物件の良し悪しと同じくらい重要なのが、ご自身の家計で無理なく持ち続けられるかどうかです。購入を決める前に、次の5項目を数字で試算しておくことをおすすめします。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
チェック項目 確認する内容 自己資金 頭金と諸費用を払った後も、生活防衛資金が手元に残るか 返済後のキャッシュフロー 家賃収入から返済・管理費・税金を引いて毎月いくら残るか 金利上昇時の返済額 変動金利の場合、金利が上がったときに返済額がどこまで増えるか 1室空室時の収支 1室が数か月空いた場合でも、給与収入で補填できる範囲か 修繕発生時の現預金 給湯器交換や外壁補修が重なっても資金が尽きないか いずれも楽観的な数字ではなく、厳しめの前提で試算するのがポイントです。たとえば満室想定だけで収支を組むと、1室の退去で毎月の手残りがマイナスになるケースもあります。
✓ポイント:サラリーマンが優先すべき物件は、駅や電停に近く災害リスクの低いエリアにあり、手間と返済負担が本業を圧迫しない規模のものです。利回りは表面ではなく実質で比較し、金利上昇や空室、修繕といった厳しめのシナリオでも家計が回るかを購入前に確認しておくと、長期で安定した運用を目指しやすくなります。
広島市での不動産投資で避けるべきリスクと事前の対策
不動産投資で収益を大きく損なう原因は、主に「空室」と「想定外の出費」です。どちらも購入後に慌てて対処するより、事前に備えておくほうが損失を小さく抑えられます。
空室期間を最小限に抑える賃貸管理会社の選び方
本業で忙しいサラリーマンにとって、賃貸管理会社は運用の成果を左右するパートナーです。管理手数料は家賃の数%程度で設定されるケースがありますが、管理内容や戸数、地域、会社によって異なります。料金の安さだけで選ぶと、入居者募集や対応の質で差が出ることもあります。
管理会社を比較する際は、次の点を確認すると判断しやすくなります。
- 管理物件の入居率と、空室が埋まるまでの期間の実績
- 広島市内の仲介会社とのつながりと募集活動の範囲
- 入居者からの問い合わせやトラブルへの対応体制
- 収支報告の頻度と内容のわかりやすさ
なかでも、地域の賃貸相場や入居者層を把握しているかどうかは、適正な家賃設定と入居付けに直結します。
突発的な出費を防ぐ修繕計画と資金手当て
建物は年数とともに必ず劣化します。給湯器やエアコンなどの設備、外壁塗装や屋上防水などは一定の周期で更新が必要になり、一棟物件では数百万円単位の支出になることもあります。
こうした出費に備えるには、購入時点で長期の修繕計画を立て、家賃収入の一部を修繕費として積み立てておくことが有効です。区分マンションの場合は、管理組合の修繕積立金が不足していないか、将来の値上げ予定がないかを重要事項調査報告書で確認しておく必要があります。豪雨や台風への備えとして、火災保険の水災補償や地震保険の加入状況を見直すことも欠かせません。
✓ポイント:空室対策は管理会社選びの段階で、修繕対策は購入前の計画段階で、その多くが決まります。地域事情に詳しい管理会社を選び、修繕費を毎月の収支に組み込んでおけば、突発的な出費で本業の家計を圧迫するリスクを抑えられます。
不動産オーナーが知っておくべき資産組み換えと売却のタイミング
収益物件は購入時点から売却までを一つの計画として考えることが大切です。適切な時期に売却し、条件の良い物件へ組み換えることで、資産価値の維持・向上を目指せます。
保有物件の価値を最大化する売却時期の判断基準
売却時期を考えるうえでまず押さえておきたいのが税金です。不動産の売却益(譲渡所得)にかかる税率は、所有期間によって大きく変わります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
区分 所有期間(売却した年の1月1日時点) 税率(所得税・住民税・復興特別所得税) 短期譲渡所得 5年以下 39.63% 長期譲渡所得 5年超 20.315% このほか、いわゆる「デッドクロス」が近づいたときも検討の目安になります。デッドクロスとは、減価償却費が減る一方で、必要経費にならないローン元金の返済負担が続き、税務上の利益に比べて実際の手残りが少なくなる状態です。大規模修繕の前や、周辺の市場価格が上がっている時期もあわせて検討するとよいでしょう。税負担・修繕負担・市場価格の3つを並べて比較することが、売却時期を見極める基本です。
地場に強い不動産会社を活用した出口戦略の立て方
収益物件の売却では、地域の市場をよく知る不動産会社への相談が役立ちます。広島市の収益物件の取引事例や投資家のニーズを把握した会社であれば、売出価格や販売方法を検討する際の情報を得やすくなります。
出口戦略としては、築古物件を売却して築浅物件へ買い換える、郊外の物件を手放して中心部の物件に集約するといった組み換えが考えられます。売却と次の購入の両方を相談できる会社であれば、資産全体を見渡した計画を立てやすくなるでしょう。
✓ポイント:売却は所有期間による税率の違いを踏まえ、デッドクロスや修繕の時期、市場価格の動きと照らし合わせて判断することが大切です。広島市の取引事情に詳しい不動産会社に相談し、売却と次の購入をセットで計画することで、資産価値の維持・向上を目指しやすくなります。
まとめ:広島市の優良物件を見極めて着実な資産形成を進めよう
広島市は約117万人の都市規模を持ち、東京や大阪より高い期待利回りが示されている市場です。一方で、市全体の人口は減少しており、区ごとに人口・世帯数の動きが大きく異なるため、サラリーマンがリスクを抑えて運用するには明確な基準が欠かせません。
本記事のポイントを振り返ると、世帯数の動きや交通利便性、災害リスクを踏まえてエリアを選ぶこと、本業と両立できる物件種別と借入額に抑えること、金利上昇や空室を想定した厳しめの収支で購入を判断することが挙げられます。さらに、地域に詳しい管理会社と修繕計画で運用リスクを抑え、所有期間や市場動向を踏まえて売却・組み換えを考える視点も重要です。
株式会社ASULANDでは、広島市を中心に不動産の売却・投資のご相談を承っています。収益物件の購入を検討している方はもちろん、保有物件の売却時期や資産の組み換えに迷っている方も、お気軽にご相談ください。
- 1. 広島市がサラリーマンの資産形成において魅力的な理由
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コラム 2026/10/07
空室が多い収益物件を売却するには?満室化してから売るべきかを解説
空室が目立つ収益物件を前に、このまま売却活動を始めるべきか、手間や費用をかけて満室にしてから売るべきか迷っているオーナーは少なくありません。空室が多いと売却価格が下がる不安がある一方、リフォームや客付けには費用と時間がかかり、その投資を売却価格で回収できるかの判断は簡単ではないからです。
結論からお伝えすると、どちらが正解かは物件ごとに異なり、「満室にするための費用」と「満室にすることで見込める評価の改善」を比較して決めることが基本になります。そのうえで、なぜ空室なのかという原因、売却を急ぐ事情、建物の状態、立地による入居の決まりやすさを重ねると、取るべき方針が見えてきます。
本記事では、広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDが、広島市をはじめとする収益物件の売却で役立つ考え方として、空室のまま売る場合と満室にして売る場合のメリット・注意点、状況別の判断基準、そして空室が多いまま少しでも高く売るための具体策を解説します。
目次
- 1. 空室の多い収益物件はそのまま売るべきか?満室化すべきか?
o 「物件の現状」と「売主の事情」から最適な方針を見極める
o 重要な判断材料となる想定収入と現況収入の差 - 2. 空室のまま売却するメリットと注意点
o 修繕や客付けの費用・時間をかけずにスピーディな手放しが可能
o リノベーション目的や自己使用を前提とする新たな買主層を取り込める
o 金融機関の融資評価が厳しくなり、売却価格が下落するリスクがある - 3. 満室にしてから売却するメリットと注意点
o 現況利回りが向上し、投資家への訴求力と物件価値が高まる
o 収益性を説明しやすくなり、買主層が広がる可能性がある
o リフォーム代や広告費などの投下コストを回収しきれない恐れがある - 4. 状況別で見る「そのまま売る・満室にして売る」の判断基準
o 資金や時間に余裕がなく、早期売却を優先する場合は「空室のまま」
o 建物の老朽化が激しく、大規模な修繕が必要な場合は「空室のまま」
o 軽微な修繕で入居者が決まりやすい好立地物件なら「満室化」 - 5. 空室が多い物件をそのまま高値で売却するコツ
o 収益物件・一棟アパート・一棟マンションの売買実績が豊富な不動産会社を選ぶ
o 空室リスクを織り込んだ説得力のある事業計画を買主に提示する
o 仲介だけでなく不動産買取業者への直接売却も選択肢に含める - 6. 迷った場合は売却活動と賃貸募集の同時進行も有効策となる
空室の多い収益物件はそのまま売るべきか?満室化すべきか?
収益物件では、将来得られる賃料収入や稼働率が価格判断の重要な要素となるため、空室が多い状態は収益評価に影響する可能性があります。ただし、実際の売却価格は立地や土地・建物の価値、周辺の取引事例、修繕状況なども含めて判断されます。満室化が常に得になるとは限らないため、物件と売主の両面から状況を整理することが欠かせません。
「物件の現状」と「売主の事情」から最適な方針を見極める
判断材料は大きく2つに分けられます。1つは物件の現状で、建物の劣化具合、空室が埋まらない理由、周辺の賃貸需要などが当てはまります。もう1つは売主の事情で、いつまでに売りたいか、満室化にかけられる資金がどのくらいあるかといった点です。
なかでも最初に取り組みたいのが、満室化の費用を計算する前に、空室の原因を特定することです。原因によって、取るべき打ち手はまったく異なります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
空室の主な原因 考えられる打ち手 賃料が周辺相場より高い 相場に合わせた賃料の見直し 募集条件や募集範囲が不十分 仲介会社への情報共有、募集条件の調整 設備が古い・不足している 需要の高い設備の導入や入れ替え 共用部の清掃や管理が行き届いていない 管理会社との管理内容の見直し 間取りが周辺の需要と合っていない 間取り変更を含む改修の検討 築年数や立地そのものの課題 満室化より、現状での売却や買取の検討 賃料設定や募集方法、管理状態のように改善しやすい原因であれば、満室化を検討する余地があります。反対に、建物そのものや立地に大きな課題がある場合は、満室化の費用がかさみやすく、効果も読みにくくなります。
重要な判断材料となる想定収入と現況収入の差
収益物件の広告には、満室を前提とした「想定利回り」と、現在の入居状況にもとづく「現況利回り」の2種類が使われます。買主は、実際に得られている家賃収入と、満室にできる見込みの両方を確認したうえで購入を判断します。
仮に、1室あたり月5万円・全10室のアパートで4室が空室だとすると、収入の見え方は次のように変わります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
項目 満室想定 現況(4室空室) 年間家賃収入 600万円 360万円 年間家賃収入÷8%で計算した場合 7,500万円 4,500万円 ※上記は「年間家賃収入÷8%」という単純な表面利回り計算で、収入差をイメージするための例です。実際の売却価格が4,500万円・7,500万円になることを示すものではありません。実際の価格は、空室率や運営経費、修繕状況、土地・建物の価値、周辺取引事例、市場で求められる利回りなどを踏まえて判断されます。
不動産鑑定評価の考え方でも、収益をもとに価格を求める方法は、家賃の総額ではなく、経費などを差し引いた純収益を基礎とします。賃貸用の不動産では、賃借人の状況や賃貸借契約の内容、貸室の稼働状況なども価格に影響する要因とされています。想定収入と現況収入の差を把握することは、満室化を検討するうえでの重要な判断材料の一つです。
✓ポイント:空室の多い収益物件の売却方針は、まず空室の原因を特定し、そのうえで建物の状態や売却期限、使える資金といった事情を照らし合わせて決めることが大切です。想定収入と現況収入の差は満室化を考える際の判断材料になりますが、価格はそれだけで決まるものではないため、経費や物件全体の価値も含めて検討する必要があります。
空室のまま売却するメリットと注意点
空室のまま売る最大の利点は、余計な費用や時間をかけずに売却を進められる点です。ただし、収益物件としての評価は下がりやすいため、メリットと価格面のリスクを両方理解しておく必要があります。
修繕や客付けの費用・時間をかけずにスピーディな手放しが可能
満室化には、原状回復やリフォームの費用、入居者募集にかかる費用などが必要で、入居者が決まるまでの期間も読めません。空室のまま売却すれば、こうした費用や手間を負担せずに売却活動を始められます。
保有を続けるほど、固定資産税やローン返済、建物の維持費などの負担は続きます。空室が多く家賃収入が少ない物件では、早めに手放すことで毎月の持ち出しを止められる点もメリットです。
リノベーション目的や自己使用を前提とする新たな買主層を取り込める
空室が多い物件は、入居者がいる物件とは異なる買主層に評価されることがあります。たとえば、全面的なリノベーションで価値を高めたい不動産会社や投資家、住居や事務所として自ら使いたい買主です。
入居者がいる物件では、すぐに自己使用や建て替えができるとは限りません。特に普通建物賃貸借では、貸主側から更新を拒絶したり解約を申し入れたりするには、原則として借地借家法上の正当事由が必要です。一方、定期建物賃貸借は期間の満了によって更新されずに終了する契約で、期間が1年以上の場合は、満了の1年前から6か月前までに終了の通知を行う必要があります。このように契約形態によって扱いが異なるため、既存の賃貸借契約を確認しておくことが大切です。
空室が多い状態であれば、こうした退去の調整が少なく済むため、空室であること自体が買主にとってのメリットになる場合もあります。
金融機関の融資評価が厳しくなり、売却価格が下落するリスクがある
一方で、空室が多い収益物件は、買主が利用するローンの審査で不利になりやすい傾向があります。金融機関は物件の収益性を融資判断の材料の一つとするため、家賃収入が少ないと融資額が抑えられたり、自己資金を多く求められたりすることがあるからです。
買主が十分な融資を受けられなければ、購入できる価格の上限も下がります。結果として検討できる買主が限られ、価格交渉で譲歩を迫られるおそれがある点は理解しておく必要があります。
✓ポイント:空室のまま売却すると、費用と時間をかけずに手放せるうえ、リノベーションや自己使用を考える買主に評価される可能性もあります。その反面、投資目的の買主にとっては融資を受けにくい物件となり、価格が下がりやすいため、どの買主層に売るのかを意識して進めることが重要です。
満室にしてから売却するメリットと注意点
満室にしてから売る方法は、収益物件としての評価を高めやすい反面、先に費用を投じるリスクを伴います。評価の改善幅と投下コストのバランスが判断の鍵です。
現況利回りが向上し、投資家への訴求力と物件価値が高まる
満室になれば、現況利回りと想定利回りの差が縮まり、実際の家賃収入にもとづいて物件を検討してもらいやすくなります。購入直後から家賃収入が得られる「オーナーチェンジ物件」として、投資家の目に留まりやすくなる点も強みです。
入居者が決まっていることは、その物件に賃貸需要があることの裏づけにもなります。家賃の相場や入居の決まりやすさを示す材料として、買主の不安を和らげる効果が期待できます。
収益性を説明しやすくなり、買主層が広がる可能性がある
家賃収入が安定していれば、買主は金融機関に物件の収益性を説明しやすくなります。結果として資金調達の選択肢が広がれば、購入を検討できる買主が増える可能性があります。
ただし、融資の可否や条件は、稼働状況だけでなく買主の属性や担保評価、物件の状態、金融機関の融資方針などによっても異なります。満室にすれば融資が通り、高く売れるという関係が必ず成り立つわけではありません。
リフォーム代や広告費などの投下コストを回収しきれない恐れがある
満室化で注意したいのが、かけた費用を売却価格で取り戻せるかどうかです。満室化には、原状回復やリフォーム費用、入居者募集に伴う仲介手数料や、契約内容に応じた広告費などがかかる場合があります。主な費用は次のとおりです。
- 退去後の原状回復や、設備交換・リフォームの費用
- 入居者募集に伴う仲介手数料や、特別に依頼した広告等の費用
- 入居を促すための家賃の値下げやフリーレント
- 入居者が決まるまでの期間のローン返済や維持費
なお、宅地建物取引業者が賃貸の仲介で受け取れる報酬には上限が定められており、それとは別に費用が生じるのは、依頼者が依頼した広告の料金など一定の場合に限られます。
また、相場より大幅に家賃を下げたり、長期のフリーレントを付けたりして入居を決めると、物件の収益力を正しく示せません。買主は賃貸借契約の内容や入居履歴を確認するため、無理な客付けはかえって評価を下げる原因になります。
出典:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(建設省告示)令和6年6月21日改正|大阪府
✓ポイント:満室化は、現況利回りの改善によって買主の検討材料を増やし、評価を高めやすい方法です。ただし、リフォーム代や募集費用、空室期間中の負担を売却価格の上昇分で回収できるとは限らないため、費用の見積もりと評価の改善幅を事前に比べておくことが欠かせません。
状況別で見る「そのまま売る・満室にして売る」の判断基準
ここまでの内容を踏まえ、代表的な3つのケースで判断の目安を整理します。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
状況 方針の目安 主な理由 資金や時間に余裕がなく、早期売却を優先したい 空室のまま 満室化の費用と期間を負担せずに済む 建物の老朽化が激しく、大規模な修繕が必要 空室のまま 修繕費が評価の上昇分を上回りやすい 軽微な修繕で入居が決まりやすい好立地 満室化 少ない費用で評価を高めやすい 資金や時間に余裕がなく、早期売却を優先する場合は「空室のまま」
ローン返済が家賃収入を上回っている、相続税の納付期限が迫っているなど、売却を急ぐ事情がある場合は、空室のまま売り出すほうが現実的です。満室化には数か月以上かかることもあり、その間の持ち出しが増えれば、価格面で得をしても手元に残る金額は変わらない、あるいは減ってしまう可能性があります。
建物の老朽化が激しく、大規模な修繕が必要な場合は「空室のまま」
外壁や屋根、給排水管などの大規模な修繕が必要な物件では、満室化の前に多額の工事費がかかります。こうした物件は、建て替えや全面改修を前提とする買主が価格を判断することが多く、売主が修繕しても、その費用ほど価格が上がらないケースが少なくありません。
軽微な修繕で入居者が決まりやすい好立地物件なら「満室化」
駅や電停に近く、周辺の賃貸需要がある物件で、空室の原因が内装の古さや募集方法にとどまるなら、満室化を検討する価値があります。広島市の場合、2025年の国勢調査で中区は世帯数が5.1%増えた一方、安佐北区は2.3%減っており、エリアによって入居の決まりやすさには差があります。少ない費用で入居が見込めるかどうかを、エリアの需要と合わせて判断することが大切です。
✓ポイント:早期売却を優先する場合や大規模修繕が必要な場合は空室のまま、軽微な手直しで入居が決まりやすい立地なら満室化というのが基本的な考え方です。いずれの場合も、満室化にかかる費用と期間、評価の改善幅を数字で比べてから方針を決めることが、後悔しない売却につながります。
空室が多い物件をそのまま高値で売却するコツ
空室のまま売ると決めた場合でも、売り方を工夫することで価格の下落を抑えられる可能性があります。ここでは3つの方法を紹介します。
収益物件・一棟アパート・一棟マンションの売買実績が豊富な不動産会社を選ぶ
空室の多い収益物件は、一般的な住宅とは買主層も評価方法も異なります。収益物件の取引に慣れた不動産会社であれば、リノベーションを得意とする業者や、地域で物件を探している投資家とのつながりを持っていることがあります。
依頼先を選ぶ際は、一棟アパートや一棟マンションの売買実績、空室の多い物件を売却した事例を確認するとよいでしょう。査定額の高さだけでなく、その根拠を具体的に説明できるかどうかも判断材料になります。
空室リスクを織り込んだ説得力のある事業計画を買主に提示する
買主が空室の多い物件を敬遠する大きな理由は、「本当に入居者が決まるのか」が見えないことです。そこで、周辺の家賃相場や入居状況、空室の原因と改善策、必要な修繕内容と費用の目安、満室までの想定期間などをまとめた資料を用意すると、買主は購入後の収支を検討しやすくなります。
あわせて、修繕履歴や現在の賃貸借契約の内容、家賃の入金状況を一覧にしたレントロールなどを整理しておくと、物件の状態を正確に伝えられ、交渉が進めやすくなります。
仲介だけでなく不動産買取業者への直接売却も選択肢に含める
仲介で買主が見つかりにくい場合は、不動産会社が直接物件を買い取る「買取」も選択肢になります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
比較項目 仲介 買取 売却価格 市場価格に近い水準を目指せる 仲介より低くなる傾向がある 売却までの期間 買主探しの期間が読みにくい 比較的短く、時期を決めやすい 仲介手数料 必要 買取業者が直接買主の場合は不要 契約不適合責任 契約条件による 売主の責任範囲を限定する特約が設けられる場合がある 買取では、売主の契約不適合責任を限定する条件で合意できる場合があります。ただし、責任の範囲は売買契約によって異なり、売主が知りながら告げなかった事実などまで当然に免責されるわけではありません。
価格よりもスピードや確実性を優先したい場合には、買取を検討する価値があります。仲介と買取の両方で査定を取り、手元に残る金額で比べることをおすすめします。
✓ポイント:空室の多い物件をできるだけ高く売るには、収益物件の売買に強い不動産会社を選び、買主が購入後の収支を描ける資料をそろえることが効果的です。仲介で買主が見つかりにくい場合は買取も含めて比較し、価格・期間・契約条件のバランスで売却方法を選ぶと判断しやすくなります。
迷った場合は売却活動と賃貸募集の同時進行も有効策となる
空室のまま売るか満室にしてから売るか決めきれない場合は、売却活動と賃貸募集を並行して進める方法もあります。売り出しと同時に入居者を募集し、入居が決まれば現況利回りが改善した状態で買主と交渉できます。買主が先に見つかれば、その時点の状況で売却すればよいため、判断を先延ばしにして機会を逃すリスクを抑えられます。
ただし、同時進行には注意点もあります。募集中に新しい入居者が決まると、現況利回りやレントロールの内容が変わり、交渉中の買主に条件の変更を説明する必要が出てきます。自己使用や建て替えを考えている買主にとっては、入居者が増えることがかえってマイナスになる場合もあります。そのため、売却を担当する不動産会社と「いつまで入居募集を続けるか」をあらかじめ決めておくことが大切です。
なお、借主が建物の引渡しを受けるなど、第三者に賃貸借を対抗できる要件を備えている場合、物件の売却に伴って賃貸人の地位は原則として買主へ移り、敷金返還義務なども新しいオーナーに承継されます。募集条件や契約内容は、売却を担当する会社と共有し、買主に正確に伝えられるようにしておく必要があります。
空室の多い収益物件の売却は、空室の原因、満室化の費用と評価の改善幅、売却を急ぐ事情、建物の状態、立地の需要を総合的に見て判断することが求められます。株式会社ASULANDでは、広島市を中心に収益物件の売却や資産整理のご相談を承っています。空室の多い物件をどう売るべきか迷っている方は、売却と賃貸募集のどちらも見据えた方針づくりから、お気軽にご相談ください。
- 1. 空室の多い収益物件はそのまま売るべきか?満室化すべきか?
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コラム 2026/09/03
広島市で不動産を保有しているなら、売却を検討する環境は数年前より明確に良くなっています。2026年1月1日時点の地価公示で、広島市の平均変動率は住宅地が2.7%、商業地が5.2%の上昇となり、いずれも全国平均(住宅地2.1%、商業地4.3%)を上回りました。前年の住宅地2.4%、商業地4.6%からも伸びが加速しています。
ただし上昇は市内全域に及んでいるわけではなく、中心部から離れた丘陵部の住宅地では下落が続いており、区によって数字の意味はまったく異なります。
広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDの視点から、広島市の相場動向、今が売り時と言える理由、手取りを増やすための実務的な進め方を整理します。
目次
- 1. 広島市で今、不動産売却を検討しやすい環境にある理由
o 広島駅周辺の再開発とインフラ整備による資産価値の上昇
o 購買意欲を支える市場環境と高水準で推移する需要 - 2. 【エリア・物件種別】広島市における最新の不動産売却相場
o 中区・東区・南区など主要エリア別の価格動向
o 区別の地価変動率一覧
o 分譲マンション・一戸建て・収益物件の相場トレンド比較 - 3. 広島市の不動産を相場より高く売却するための実践的なコツ
o 広島市の市場に強い複数の不動産会社へ査定を依頼・比較する
o 買主の印象を高める適切な売出価格設定と物件の事前準備 - 4. 不動産売却で手残りを増やすための税金対策と注意点
o 売却時に発生する諸費用と譲渡所得税の計算方法
o 特別控除や軽減措置を活用した節税アプローチ - 5. まとめ:正しい市場把握と戦略的な売却活動で高値売却を実現する
広島市で今、不動産売却を検討しやすい環境にある理由
広島市では地価上昇が続くエリアが多く、売却を検討するうえで追い風となる材料が増えています。上昇が単年の変動ではなく、明確な要因を伴って継続しているためです。新駅ビルや駅前大橋ルートが供用を開始し、南口広場の再整備も引き続き進んでいる段階にあります。
ただし立地や物件種別で状況は異なり、市内全域が売り手市場とは限りません。以下、価格を押し上げている材料と買い手側の状況を分けて見ていきます。
広島駅周辺の再開発とインフラ整備による資産価値の上昇
価格上昇の中心にあるのは、広島駅周辺の変化です。国土交通省の地価公示でも、広島市の商業地の上昇要因として、駅ビルの開業と南口広場整備の進展、そして広島電鉄の駅前大橋ルート開通による利便性と賑わいの向上が挙げられています。
- 2025年3月24日、JR広島駅の新駅ビルに商業施設「minamoa(ミナモア)」が開業し、ホテルやシネマコンプレックスを含む複合施設として稼働
- 2025年8月3日、広島電鉄の駅前大橋ルートが開業。広島駅停留場がJR広島駅ビル2階へ移設され、中央改札口と同一平面での乗り換えが可能になった
- 八丁堀・紙屋町周辺でも再開発が進行中で、都心部への期待感が地価を下支えしている
なお南口広場の再整備は今も工事が続き、ペデストリアンデッキや大屋根を含む全体の完成は2029年春が目標とされています。変化はまだ途中段階です。
その影響が最も鮮明に出たのが南区です。2026年地価公示で商業地の上昇率が市内最高となったのは南区稲荷町の地点で、変動率は18.4%。前年の7.8%から大きく跳ね上がりました。駅前大橋ルート開業による交通利便性の向上に加え、南口の再整備の進展や旺盛なホテル需要などが重なり、上昇率が大きく拡大した地点です。
購買意欲を支える市場環境と高水準で推移する需要
買い手側の姿勢も売却を後押ししています。日本不動産研究所の調査では、今後1年間の不動産投資について「新規投資を積極的に行う」と答えた市場関係者が9割を超え、緩和的な金融環境のもとで積極的な投資姿勢が維持されています。
広島の賃貸住宅一棟に対する期待利回りは、ワンルームタイプ5.0%、ファミリータイプ5.1%と東京や大阪より高い水準にあります。この水準は、投資対象を比較する際に一定の利回りを求める投資家にとって、広島が選択肢になり得ることを示します。実需層についても、交通利便性や生活利便性の高い地域では需要が堅調に推移しています。
✓ポイント:売り時かどうかは、価格が上がっているかどうかだけでは決まりません。買い手が動いているタイミングかどうかも同じくらい重要になります。現在は価格上昇と買い手の積極姿勢が重なった局面にあります。一方で金利は上昇局面にあり、融資環境が変われば買い手の予算は下がります。追い風が吹いているうちに準備を進めておく考え方が現実的です。
【エリア・物件種別】広島市における最新の不動産売却相場
広島市の相場を把握するときは、市全体の平均値ではなく区ごとの数字を見る必要があります。同じ市内でも上昇率に5倍以上の開きがあり、平均値では自分の物件の実力が測れません。ここでは公的な地価データと、物件種別ごとの傾向を分けて整理します。
中区・東区・南区など主要エリア別の価格動向
2026年の地価公示における広島市の区別変動率を見ると、商業地では南区が7.3%で最も高く、西区5.9%、中区5.7%が続きます。住宅地では中区4.9%、南区4.0%が上位です。対して安佐北区は住宅地0.8%、商業地1.2%、安芸区も住宅地1.4%、商業地1.1%と、上昇はしているものの伸びは限定的にとどまります。
同じ「広島市の地価は上昇中」という表現でも、中心5区と周辺部では市場の温度差が大きい点を押さえておくべきです。さらに市内中心部から距離のある丘陵部の住宅地では、依然として下落傾向が続いています。
区別の地価変動率一覧
※表は左右にスクロールして確認することができます。
区 住宅地 商業地 中区 4.9% 5.7% 東区 1.9% 3.6% 南区 4.0% 7.3% 西区 3.1% 5.9% 安佐南区 3.0% 4.9% 安佐北区 0.8% 1.2% 安芸区 1.4% 1.1% 佐伯区 3.3% 3.9% ※2026年地価公示(2026年1月1日時点)の前年比変動率
分譲マンション・一戸建て・収益物件の相場トレンド比較
物件種別によって、価格を決める要素の重みは変わります。分譲マンションは立地と築年数の影響が大きく、民間の集計データ(2020年7月〜2025年9月の掲載・成約情報)では、広島市内で中区の取引が最も活発とされています。同データによる中区の中古マンションの㎡単価は、築6〜10年で約64万円、築31〜40年では約29万円です。売却を先送りするほど築年数の壁に近づく点は意識しておきたいところです。
一戸建ては築年数が進むほど土地価格の影響を受けやすくなるため、地価が上昇している区では追い風となり、丘陵部では土地値の下落が響きます。収益物件では、賃料・稼働率・運営経費から見た収益性が価格形成上の重要な判断材料となり、入居状況と賃料水準の裏づけを整えているかどうかで査定額が変わります。
✓ポイント:相場感を持つうえで有効なのは、地価公示のような公的データと、実際の成約事例を組み合わせて見ることです。地価は土地の評価であり、建物の状態や間取りの人気は反映されません。実際の取引価格は国土交通省の不動産情報ライブラリでも確認でき、区の平均と自分の物件を突き合わせて判断する姿勢が求められます。
広島市の不動産を相場より高く売却するための実践的なコツ
売却価格の差は、物件そのものより進め方から生まれます。同じ物件でも、依頼先の選定と売り出し方で最終的な成約価格は変わります。ここでは効果が出やすい2点を取り上げます。
広島市の市場に強い複数の不動産会社へ査定を依頼・比較する
査定は必ず複数社に依頼し、金額だけでなく根拠を比較します。査定額は各社の販売戦略や在庫状況によって差が出るため、1社だけでは相場の中でどの位置にいるのかが判断できないからです。比較の際は、次の点を確認すると精度が上がります。
- 査定額の根拠として、近隣の成約事例と成約までの期間を示せるか
- 広島市内、できれば同じ区での販売実績があるか
- 買主候補の想定(実需層か投資家か)を具体的に説明できるか
注意したいのは、最も高い査定額を提示した会社が最も高く売ってくれるとは限らない点です。契約を取るために高値を提示し、後から値下げを重ねるケースもあります。根拠の説明が具体的な会社を選ぶほうが、結果として手取りは安定します。
買主の印象を高める適切な売出価格設定と物件の事前準備
売出価格は、近隣の成約事例と競合物件、そして売却期限を踏まえて設定し、反響状況を見ながら価格を見直す基準をあらかじめ決めておく方法があります。売り出し直後は新着物件として買主の目に触れやすく、この時期の反響が以後の販売戦略を判断する材料になるためです。
あわせて、内見前の準備も価格に直結します。水回りの清掃、不要物の処分、明るさの確保だけでも印象は変わります。マンションなら管理費や修繕積立金の滞納がないこと、一戸建てなら境界の確定状況や増改築の履歴を整理しておくと、買主の不安要素が減り、値引き交渉の材料を与えずに済みます。
✓ポイント:売り出し直後は物件情報が新着として扱われ、買主の目に触れる機会が多くなります。この段階で条件が整っていないと、以降は価格を下げながら反応を探る展開になりがちです。査定の比較と物件の整備は、売り出す前に終えておくと結果が変わります。
不動産売却で手残りを増やすための税金対策と注意点
売却で重要なのは成約価格ではなく手取り額です。譲渡益には税金がかかり諸費用も差し引かれるため、同じ価格で売れても最終的に残る金額は条件で変わります。費用と税額の仕組みを先に押さえると、売却時期の判断も具体的になります。
売却時に発生する諸費用と譲渡所得税の計算方法
譲渡所得は「譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除」で計算します。取得費には購入代金や購入時の仲介手数料が含まれますが、建物部分は減価償却後の金額になる点に注意が必要です。
購入代金など取得費を確認できない場合は、譲渡価額の5%を概算取得費として計算する方法があります。ただし課税対象は大きく膨らむため、契約書が見当たらなくても、通帳や住宅ローンの記録など取得費を裏づける資料がないかを先に確認しておくべきです。税率は所有期間で分かれ、譲渡した年の1月1日時点で5年以下なら短期譲渡所得、5年を超えれば長期譲渡所得です。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
区分 所有期間(譲渡年の1月1日時点) 税率(所得税・復興特別所得税・住民税の合計) 短期譲渡所得 5年以下 約39.63% 長期譲渡所得 5年超 約20.315% 諸費用としては、仲介手数料、印紙税、抵当権抹消費用、必要に応じて測量費や解体費が発生します。仲介手数料の原則的な上限は、売買価格400万円超なら「売買価格×3%+6万円+消費税」で計算できます。ただし売買価格800万円以下の宅地・建物については、2024年7月から低廉な空家等の媒介報酬に関する特例が設けられており、一定の場合に依頼者の一方から税込33万円まで受け取れる扱いとなっています。
特別控除や軽減措置を活用した節税アプローチ
税負担は特例の適用可否で大きく変わります。自分が住んでいた住宅を売る場合は、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる居住用財産の特別控除があります。さらに、売却した年の1月1日時点で家屋・敷地とも所有期間が10年を超えていることなど所定の要件を満たせば、3,000万円特別控除と軽減税率を併用できます。
相続した実家を売却するケースでは、被相続人の居住用財産(空き家)に係る特別控除が使える場合があります。昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、区分所有建物でないこと、相続開始の直前に被相続人が一人で居住していたことなどの要件があり、売却代金1億円以下、かつ2027年12月31日までの譲渡が対象です。相続人が3人以上の場合は控除上限が1人あたり2,000万円となり、原則として相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する必要があります。被相続人が老人ホーム等に入所していた場合や、売却後に買主側で耐震改修・取壊しが行われる場合も、一定の要件のもとで対象となることがあります。
適用期限が設定されている特例は、売却スケジュールそのものを左右します。要件の判定は個別性が高いため、実際の適用可否は税理士に確認しておくと確実です。
✓ポイント:税金は売った後に考えるものではなく、売る前に組み立てるものです。所有期間が5年や10年の節目に近い場合、時期を数か月ずらすだけで税率が変わることもあります。査定の段階で概算の手取り額まで試算しておくと、価格交渉の判断基準がぶれません。
まとめ:正しい市場把握と戦略的な売却活動で高値売却を実現する
広島市の不動産市場は、広島駅周辺の再開発と交通インフラの更新を背景に、住宅地・商業地ともに全国平均を上回る上昇を続けています。ただし恩恵の大きさは区や立地で差があり、丘陵部では下落が続く地域も残ります。売却を成功させるには、区ごとの相場を把握し、複数社の査定を根拠で比較したうえで、税金まで含めた手取り額で判断する流れが有効です。
株式会社ASULANDは、広島の不動産売却と投資をサポートする立場から、地場の成約動向を踏まえた査定と売却プランのご提案を行っています。広島市で保有する不動産の売り時に迷いがある場合は、現在の相場感の確認からご相談ください。
- 1. 広島市で今、不動産売却を検討しやすい環境にある理由
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コラム 2026/09/01
広島市で投資物件を探すなら、個別物件の利回り表示より先に、エリアごとの需要構造を押さえるほうが結果的に遠回りになりません。理由は、広島市が区ごとに再開発の進み方も賃貸需要の担い手も異なる都市だからです。
日本不動産研究所の第54回「不動産投資家調査®」(2026年4月現在)によると、賃貸住宅一棟の期待利回りは、広島でワンルームタイプ5.0%、ファミリータイプ5.1%。ワンルームタイプでは東京・城南の3.6%、大阪の4.2%を上回っています。ただしこの数値は、調査に回答した市場関係者が求める利回りの中央値であり、広島市内で実際に成約した物件の平均利回りを示すものではありません。
広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDの視点から、注目エリアの見方、プロが使う選定基準、目的別の物件種別、売却まで見据えた進め方を順に整理します。
目次
- 1. 広島市で狙うべき高利回り投資エリアランキング
o 第1位:大規模再開発と交通利便性の向上で注目される「広島駅周辺(東区・南区)」
o 第2位:オフィス・商業の集積で安定した賃貸需要を誇る「中区エリア」
o 第3位:物件価格と生活利便性のバランスが良い「西区エリア」
o エリア別の特徴一覧 - 2. プロが広島市で高利回り物件を見極める選定基準
o 広島駅を中心とした都市再開発と交通インフラの整備状況
o 単身者・ファミリー層の流入傾向とターゲットごとの賃貸需要
o 購入価格に対する賃料相場とリノベーションによる改善余地 - 3. 目的・予算別に選ぶおすすめの物件種別
o 少額から始められ流動性が高い「中古区分マンション」
o キャッシュフローと積算評価を狙える「1棟アパート・マンション」
o 物件種別の比較 - 4. 広島市での不動産投資・売却を成功に導く具体的な進め方
o 地場の賃料相場と売却需要に詳しい専門パートナーを選ぶ
o 保有中の収益と将来の売却益を一体で設計する - 5. まとめ
広島市で狙うべき高利回り投資エリアランキング
賃貸需要の厚み、交通利便性、再開発の進展を重視すると、広島駅周辺・中区・西区が有力な候補として挙がります。需要の担い手が明確で、都市機能の更新も実際に進んでいる場所が、この3エリアに集中しているためです。
郊外区にも表面利回りだけなら高い物件は存在しますが、空室が発生したときに次の入居者が決まるまでの期間は読みにくくなります。以下、ASULANDが注目する3エリアを順に見ていきます。
第1位:大規模再開発と交通利便性の向上で注目される「広島駅周辺(東区・南区)」
最初に挙げたいのは、広島駅を中心とする東区・南区です。都市機能の更新が計画段階ではなく、すでに完成して稼働している点が他区との違いになります。
- 2025年3月24日、JR広島駅の新駅ビルに商業施設「minamoa(ミナモア)」が開業。約220店舗に加え、ホテルとシネマコンプレックスが入る複合施設として稼働している
- 2025年8月3日には広島電鉄の駅前大橋ルートが開業し、広島駅停留場がJR広島駅ビル2階へ移設。JRの中央改札口と同一平面で乗り換えができるようになり、八丁堀・紙屋町方面への所要時分も約4分短縮された
- 新幹線・在来線・路面電車・バスが集まる結節点として、通勤・通学の起点に選ばれやすい
一方、駅徒歩10分圏の売り出し価格は上昇局面にあります。利便性の向上と賃貸需要の増加は別の事実であり、需要の下支えが期待できる立地という位置づけで見ておくほうが安全です。表面利回りは他区より低く出やすいため、賃料の下がりにくさと売却時の買い手の多さを含めた評価が求められます。
第2位:オフィス・商業の集積で安定した賃貸需要を誇る「中区エリア」
安定運用を優先するなら中区が候補になります。紙屋町・八丁堀を核とする官公庁とオフィスの集積が、景気変動を受けにくい賃貸需要を支えているためです。広島市の中古マンション取引は中区が最も活発で、1LDKなど投資用サイズの流通も中区と西区に集中しています。
基町クレドの商業施設パセーラでもリニューアルが段階的に進み、2025年10月に広島もとまち水族館、11月にシェア型フードホール「reDine広島」が開業。2026年春にはスーパーマーケットなどが加わり、2027年春にはミニシアターの開業も決まっています。基町相生通地区や広島八丁堀3番7番地区の再開発も施行中で、都心機能はさらに厚みを増す見込みです。
ただし取得価格は市内で最も高く、利回りは抑えめです。値上がり益より賃料の安定を取りに行くエリア、と位置づけると判断を誤りません。
第3位:物件価格と生活利便性のバランスが良い「西区エリア」
投下資金を抑えつつ利回りを確保したい場合は、西区が現実的な選択肢になります。横川・己斐・西広島というJRと広島電鉄の結節点を抱えながら、取得価格は中区より一段低い水準にとどまるためです。
西広島駅南口西地区では、店舗・事務所が入る商業業務棟と地上45階の住宅棟などを整備する第一種市街地再開発事業が動いており、施行期間は2025年度から2033年度までを予定しています。将来のアストラムライン延伸を見据えたデッキ整備も計画に含まれます。
長期保有なら、街が変わる過程を資産価値の伸びとして取り込める余地が残ります。反面、駅から離れると需要が細るため、物件選定の精度がそのまま成否を分けます。
エリア別の特徴一覧
※表は左右にスクロールして確認することができます。
エリア 主な賃貸需要 強み 利回りの傾向と注意点 広島駅周辺(東区・南区) 単身の社会人・学生 再開発の完成と交通結節機能 取得価格の上昇で表面利回りは低めに出やすい 中区 単身・DINKS・法人 職住近接による空室リスクの低さ 市内で最も価格水準が高く利回りは抑えめ 西区 単身・ファミリー 価格と利便性のバランス 利回りは確保しやすいが駅距離で需要差が大きい ✓ポイント:この順位は表面利回りの高さを並べたものではなく、賃貸需要の確実性と再開発による将来性を合わせて評価した位置づけです。利回りの数字だけで比較すると郊外や築古の物件が上位に来ますが、空室が埋まるまでの期間と売却時の買い手の数まで織り込むと評価は変わります。
出典:駅前大橋ルート開業に伴う広電電車ダイヤ改正および停留場の変更について|広島電鉄株式会社
出典:新生『パセーラ』新たな出店店舗が続々決定|NTT都市開発株式会社
プロが広島市で高利回り物件を見極める選定基準
エリアを絞り込んだ後は、再開発と交通インフラ、ターゲット層と需要、賃料に対する取得価格という3つの基準で物件を評価します。この順序に意味があり、立地の将来性を先に確認しなければ、賃料や利回りの計算そのものが前提から崩れてしまいます。
広島駅を中心とした都市再開発と交通インフラの整備状況
再開発は「計画中か、完成済みか」で扱いを分けます。計画段階の情報は延期や縮小の可能性を含む一方、完成済みの施設は賃料や価格へすでに反映されているからです。
広島駅周辺は駅ビルと路面電車の乗り入れが実現済みで、想定した利便性が実現しないリスクは小さくなっています。対して施行期間が2033年度までとされる西広島駅南口西地区のような案件は、完成前の価格でどこまで仕込めるかという別の視点で検討します。
単身者・ファミリー層の流入傾向とターゲットごとの賃貸需要
物件のサイズは、エリアごとの需要構造に合わせて決めます。中区ではオフィスワーカー、南区では広島駅へのアクセスに加えて霞地区の医療・教育関係者など、区によって単身需要の担い手が異なります。安佐南区や西区の郊外側では、ファミリー向けの比重が高まります。
ワンルームは回転が速いぶん原状回復費と募集コストがかさみ、ファミリー向けは入居期間が長い代わりに1回の空室が収支に与える打撃を大きくします。同じ利回りでも、単身向けとファミリー向けではキャッシュフローの振れ幅がまったく異なる点を、購入前に織り込んでおくことが欠かせません。投資家が広島に求める期待利回りも、ワンルームタイプ5.0%、ファミリータイプ5.1%と、タイプによって水準が分かれています。
購入価格に対する賃料相場とリノベーションによる改善余地
利回り改善の余地を探るには、築年数と価格の関係を押さえておくと判断が早くなります。中区の中古マンションは築6〜10年で平米単価64万円ほどなのに対し、築31〜40年では29万円と半分以下まで下がります。
築古物件は取得価格が下がることで表面利回りが高く見えるケースがありますが、実際の収益性は賃料水準、空室、修繕費、管理費、修繕積立金まで含めて判断する必要があります。内装更新や設備交換で賃料をどこまで押し上げられるかを、給排水管や共用部の状態と合わせて確認しておくと、購入後の想定外を減らせます。
✓ポイント:3つの基準は独立しているようで連動します。再開発で人が増えるエリアではターゲット層が変わり、その需要に合う設備へ更新できる物件だけが賃料を維持します。迷ったときは「10年後、この物件に住みたい人がどんな属性か」を描けるかどうかが目安です。
出典:第54回「不動産投資家調査®」(2026年4月現在)の調査結果|一般財団法人日本不動産研究所
出典:【2026年版】広島県広島市のマンション売却相場!高く売るコツも紹介|HOME4U
目的・予算別に選ぶおすすめの物件種別
物件種別は、投資の目的と手元資金から逆算して選びます。求めるものが安定した副収入か、事業規模の拡大かで適した器が変わるためです。広島市では、都心部は区分マンション、郊外や準都心は一棟物件という住み分けが実勢に近くなっています。
少額から始められ流動性が高い「中古区分マンション」
初めて投資用不動産を持つ方や、既存資産に分散を加えたい方には中古区分マンションが向きます。数百万円台から取得できる物件があり、出口の選択肢を確保しやすいためです。
空室の状態で自己居住用として売却できる物件なら、投資家だけでなく実需層も買い手候補になり得ます。反対に賃貸中のオーナーチェンジ物件は、買い手が基本的に投資家に限られます。中区や西区では1LDKクラスの流通も一定量あり、複数戸を異なる駅圏に分けて持てば空室の影響を平準化できます。
弱点は、1戸だけの保有では空室率が0%か100%のどちらかになる点と、管理組合の決定に自分の裁量が及ばない点です。
キャッシュフローと積算評価を狙える「1棟アパート・マンション」
まとまった収益と資産規模の拡大を狙うなら一棟物件が選択肢に入ります。土地と建物を一体で所有するため、金融機関によっては積算評価を融資判断の材料としやすいケースがあるからです。ただし評価方法は金融機関や借入人の属性、築年数によって異なり、一棟であれば次の融資につながると決まっているわけではありません。
複数戸あることで空室が収入をゼロにしにくく、大規模修繕の時期や内容も自分で決められます。反面、修繕費と管理の責任はすべて所有者が負い、購入額も一桁上がります。広島市内で一棟を検討するなら、建物の遵法性と再建築の可否、接道条件を価格交渉より先に確認しておくべきです。
物件種別の比較
※表は左右にスクロールして確認することができます。
比較項目 中古区分マンション 1棟アパート・マンション 必要資金 数百万円〜 数千万円〜 空室リスク 1戸単位で影響が大きい 戸数で分散できる 融資の伸ばしやすさ 限定的 積算評価が材料になる場合がある 修繕の裁量 管理組合の決定に従う 所有者が決定できる 売却のしやすさ 空室なら実需層への売却も検討可能 買い手は主に投資家・事業者 ✓ポイント:どちらが優れているかという比較に意味はなく、資金計画と出口戦略に合うかどうかがすべてです。区分から始めて実績と自己資金を積み、一棟へ移行する進め方も広島市では現実的です。
出典:【2026年版】広島県広島市のマンション売却相場!高く売るコツも紹介|HOME4U
広島市での不動産投資・売却を成功に導く具体的な進め方
投資判断の精度は、情報の鮮度と出口設計で決まります。ポータルサイトに載る前に地場で動く案件は少なくなく、売却条件は購入時点の設計に縛られるためです。実務上、成否を分けやすい2点に絞って整理します。
地場の賃料相場と売却需要に詳しい専門パートナーを選ぶ
広島市で物件を検討するなら、市内の取引実務に精通した会社を窓口にすることが近道です。全国基準の統計では、同じ「広島市中区」でも通り一本で入居付けの難易度が変わるという機微を拾いきれません。パートナー選びでは次の点を確認すると判断材料が揃います。
- 該当エリアでの直近の成約事例と、募集から契約までにかかった期間
- 購入の提案だけでなく、保有中の管理と将来の売却まで一貫して相談できるか
- 想定利回りの根拠として、実際の募集賃料と近隣の空室状況を提示できるか
なお、広島市は推計人口や世帯数を毎月公表しています。提案された需要の説明を公的統計と自分で照合できる点も、地方都市で投資する際の強みです。
保有中の収益と将来の売却益を一体で設計する
購入の段階で売却の絵を描いておくと、運用中の判断が速くなります。個人が土地・建物を売却する場合、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年超なら長期譲渡所得となり、通常の税率は復興特別所得税を含めて短期で約39.63%、長期で約20.315%と差が生じるためです。法人所有の場合や特例が適用される場合は扱いが異なるため、実際の試算は税理士への確認が確実です。
保有中の家賃収入と売却時の手取りを合算した総額で考えなければ、投資全体の成績は正確に測れません。減価償却が終わる時期、大規模修繕の到来、融資の残債推移をひとつの時間軸に並べたうえで、売却を検討する期間をあらかじめ設定しておく方法が有効です。
✓ポイント:出口から逆算する発想があると、購入時に見るべき項目が絞られます。買い手が投資家に限られる物件か、実需層にも売れる可能性がある物件かという違いが、10年後の選択肢の幅を左右します。
まとめ
広島市で投資物件を検討するなら、広島駅周辺・中区・西区という順序でエリアを見たうえで、再開発の進捗、ターゲット層、賃料に対する取得価格という3基準で候補を絞る流れが基本になります。区分か一棟かは資金計画と出口戦略に従って決め、購入の時点で売却までの時間軸を引いておくことが、最終的な手取りを左右します。
広島の不動産市場は、駅前の再開発が完成段階に入った一方で、区ごとの需要差はむしろ広がっています。株式会社ASULANDは広島の不動産売却と投資をサポートする立場から、地場の賃料相場と売却動向を踏まえたご提案を行っています。広島市で保有中の物件の運用方針や、これからの購入判断に迷いがある場合は、具体的な物件情報をお手元にご相談ください。
- 1. 広島市で狙うべき高利回り投資エリアランキング
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コラム 2026/08/06
地方都市での不動産投資や所有物件の運用・売却戦略について、情報が多すぎてどこから手をつけるべきか迷っていないでしょうか。書籍やセミナーのセオリーは首都圏を前提としたものが多く、広島市の実情にそのまま当てはまるとは限りません。
広島市は中四国最大の都市として賃貸需要の厚みを持つ一方、エリア選定と出口戦略を誤ると、購入時に描いた収益計画から外れるという難しさもあります。人口は緩やかに減りながら世帯数は増えており、その方向が区ごとに分かれているためです。
この記事では、広島市を中心に不動産売却・不動産投資のご相談に対応している株式会社ASULANDの視点で、広島市が選ばれる理由からエリア選び、物件タイプ、購入手順、賃貸管理、将来の売却までを順に整理します。
本記事で使う「利回り」と「キャッシュフロー」の定義
- 表面利回り:年間家賃収入 ÷ 購入価格。経費も購入諸費用も含まない
- 満室想定利回り/現況利回り:満室想定の家賃で計算したものと、実際の入居家賃で計算したもの
- 実質利回り:管理費・修繕費・税金・空室損を引き、購入諸費用を含む総投資額で割ったもの
- 返済後キャッシュフロー:実際に受け取った賃料等から、運営支出(管理費・税金・保険料・修繕費・募集費用など)とローンの元金・利息を差し引いた、税引前の現金収支
売出資料の「利回り」は多くの場合、満室想定の表面利回り。所得税・法人税や突発的な大規模修繕まで含めるかで結果は変わるため、比較の際は計算範囲をそろえてください。
目次
- 1. なぜ今、広島市の投資物件が不動産投資家に注目されているのか
o 中四国最大の人口と世帯数の動向から見る賃貸需要
o 首都圏と比較した物件価格の手頃さ
o 広島駅周辺をはじめとする再開発による資産価値への影響 - 2. 広島市で投資物件を選ぶ際のエリア選定の重要ポイント
o 単身者の賃貸需要が見込みやすい中区・南区の中心部エリア
o 長期入居が期待できる西区・安佐南区の住宅エリア
o 再開発や交通網の整備が進む注目エリア - 3. 初心者が知っておくべき投資物件タイプと特徴
o 少額資金から挑戦しやすい区分マンション投資
o 効率的な資産拡大を目指せる一棟アパート・マンション投資
o 築浅物件と築古リノベーション物件の違い - 4. 広島市での不動産投資を成功に導く具体的な購入手順
o 自己資金と融資条件を踏まえた資金計画の立案
o 地場に強い不動産会社を活用した情報収集と現地調査
o 空室リスクや修繕費用を見込んだ収支シミュレーション - 5. 購入後に安定した収益を維持するための賃貸管理と運用
o 広島市内の賃貸市場に精通した管理会社の選定
o 入居率を高めるための設備投資と定期メンテナンス - 6. 不動産オーナーが押さえておくべき資産価値最大化と売却戦略
o 広島市の不動産市場動向から見極める売却タイミング
o 納得できる条件での売却を目指す査定・買替の手順 - 7. まとめ:広島市の特性を活かして着実な不動産投資をスタートしよう
なぜ今、広島市の投資物件が不動産投資家に注目されているのか
広島市が投資先として検討される理由は、需要、価格水準、再開発という3要素が同時に揃っている点にあります。ただしどれも市内で一律ではないため、平均値ではなく分布で捉える視点が欠かせません。
中四国最大の人口と世帯数の動向から見る賃貸需要
賃貸需要を判断する際は、人口だけでなく世帯数や世帯構成の変化も確認する必要があります。人口が減少していても、単身世帯などへの世帯分化によって必要とされる住戸数がすぐには減らない場合があるためです。年齢層、転入・転出、通勤通学需要、住宅の供給量や空室率も需要を左右します。
2025年国勢調査の速報値では、広島市の人口は約117万人で2020年比2.4%減、世帯数は1.3%増えて562,105世帯となりました。世帯数の増減は区ごとに異なり、増えたのは中区(4.7%増)、佐伯区(2.8%増)、安佐南区(2.7%増)、南区(1.7%増)など。西区は0.9%減、安佐北区は2.8%減、安芸区は0.8%減でした。なお、これは人口ではなく世帯数の比較で、人口で増えたのは中区(1.1%増)のみです。
首都圏と比較した物件価格の手頃さ
同じ家賃水準でも取得価格が低ければ、利回りは高く出ます。広島市の物件価格は東京や大阪と比べれば抑えられており、この価格差が地方都市投資の魅力の中心です。
ただし土地の価格は上昇が続いています。2026年地価公示(2026年1月1日時点)では、広島市の平均変動率は住宅地2.7%、商業地5.2%。区別では中区の住宅地4.9%、南区の商業地7.3%が市平均を上回りました。地価公示は標準地における土地価格の指標であり、収益物件の成約価格や利回りを直接示すものではありません。投資判断では地価に加えて、類似する収益物件の成約事例、実際の賃料、空室期間まで確認する必要があります。
✓ポイント:「地方だから安い」という前提で入ると、実勢価格とのズレに気づけません。地価の変動率は市場の方向を掴む材料として使い、価格の妥当性は必ず収益物件の成約事例で確かめてください。土地価格が上昇している局面では、利回りが圧縮される方向に働きます。
出典:地価の動向|広島市
広島駅周辺をはじめとする再開発による資産価値への影響
広島駅周辺では駅ビルの開業や南口広場の整備、広島電鉄駅前大橋ルートの開通により利便性と賑わいが向上し、市の資料でも商業地の地価上昇の要因に挙げられています。
ただしエリアごとに事業の性格は異なります。JR西広島駅周辺では南口西地区で第一種市街地再開発事業(施行期間は2025年度から2033年度予定)が進み、商業業務棟や住宅棟、ペデストリアンデッキの整備が計画されています。一方、JR横川駅周辺は都心への交通利便性やエディオンピースウイング広島からの人流が地域活性化に寄与しているとされる状況で、進行中の再開発事業として説明されているわけではありません。効果は面ではなく点で表れるため、物件と事業区域の距離まで確認する作業が判断を支えます。
広島市で投資物件を選ぶ際のエリア選定の重要ポイント
エリア選定の判断軸は、「誰に貸すのか」を先に決めることです。想定する入居者層によって、求められる間取り、賃料の水準、入居期間の長さが変わります。
単身者の賃貸需要が見込みやすい中区・南区の中心部エリア
中区(紙屋町・八丁堀周辺)と南区(広島駅周辺)は、オフィス・商業施設や公共交通へのアクセスを重視する単身者などの候補になりやすい傾向があります。両区は世帯数も増加しており、需要の方向は読みやすいエリアです。
ただし需要は駅距離、間取り、築年数、賃料帯で異なります。中心部は取得価格が高く郊外物件より表面利回りが低くなることがある一方、交通利便性を背景に稼働の安定を期待できる物件もあります。同じ区でも条件次第で結果は変わるため、区単位ではなく物件単位で判断してください。
長期入居が期待できる西区・安佐南区の住宅エリア
安佐南区はアストラムライン沿線に住宅地が広がり、教育施設や商業施設もそろっています。世帯数は2.7%増で、住宅需要の方向は読みやすいエリア。西区は世帯数がわずかに減少していますが、横川駅周辺など交通利便性の高い地点では需要が維持されています。
一般に広めの間取りは入居期間が長くなりやすく、原状回復や募集コストの発生頻度が下がる利点があります。反面、退去時の空室期間は長引きやすいため、募集時期と賃料設定の設計が結果を左右します。
✓ポイント:郊外のファミリー向け物件では、駐車場の有無や確保できる台数が比較条件になることがあります。必要台数はエリアや世帯構成によって異なるため、近隣の競合物件と募集反響を確認してください。駅近物件や小規模世帯向けでは、1台または駐車場なしでも需要が成立する場合もあります。
再開発や交通網の整備が進む注目エリア
再開発が進むエリアは将来への期待が持てる反面、期待が先に価格へ織り込まれます。計画発表後に取得すると、利回りが薄い状態からのスタートになりがちです。判断材料としたいのは次の3点になります。
- 事業の進捗段階(構想・計画決定・着工・竣工のどこか)
- 完成後に増えるのが「通行量」か「定住人口」か
- 現在の賃料水準が、期待値ではなく実績に基づいているか
初心者が知っておくべき投資物件タイプと特徴
物件タイプの選択は、投入できる自己資金と、どこまでリスクを取れるかで決まります。同じ広島市内でも、区分マンションと一棟物件では経営の性質が異なります。
少額資金から挑戦しやすい区分マンション投資
区分マンションは1戸単位で購入するため必要資金を抑えて始められ、共用部は管理組合が管理するのでオーナーの手間も比較的軽い。1件目として選ばれやすいタイプです。
弱点は空室の影響です。1戸だけを所有する場合、ある時点の家賃収入は「入居中なら発生し、空室ならゼロ」となり、複数戸で空室リスクを分散できません。年間稼働率は空室期間に応じて変わり、2か月空室なら約83.3%、家賃収入は約16.7%の減少です。購入前に修繕積立金の残高と長期修繕計画も確認してください。
効率的な資産拡大を目指せる一棟アパート・マンション投資
一棟物件は複数戸を保有するため、1戸の退去が収入全体に与える影響が小さくなります。10戸のうち1戸が2か月空いた場合、年間収入への影響は2%程度。土地も取得するため資産としての厚みも生まれます。
ただし必要資金は大きく、屋上防水や外壁、給排水設備の更新といった大規模修繕をオーナー自身の判断と負担で行います。融資条件が購入判断に直結するため、金融機関との関係づくりが実質的な参入条件です。
築浅物件と築古リノベーション物件の違い
築浅は当面の修繕リスクが小さく賃料も取りやすい反面、価格が高く利回りは低め。築古は取得価格が抑えられる分利回りは高く出ますが、修繕費と融資期間の制約が重くのしかかります。
混同されやすいのが法定耐用年数です。税務上の法定耐用年数は住宅用の場合、木造22年、鉄筋コンクリート造47年などと定められていますが、これは減価償却の期間であり建物の物理的な寿命ではありません。金融機関が残存耐用年数を審査材料にすることはあっても、融資期間がそれだけで決まるわけでもない点は押さえておきたいところです。
✓ポイント:築古を検討するなら、価格の安さの理由を分解する作業が要になります。立地や築年数のように変えられない要素なら価格に織り込むしかありませんが、管理不全による空室や賃料設定のミスであれば、購入後の改善で収益を引き上げる余地が残ります。
広島市での不動産投資を成功に導く具体的な購入手順
購入は「良い物件を探す」作業から始まりません。先に資金計画と判断基準を固めておかないと、物件情報を前にしても判断ができず、勢いだけで決めることになります。
自己資金と融資条件を踏まえた資金計画の立案
物件価格のほかに、仲介手数料、登記費用、不動産取得税、火災保険料、融資関連費用などの購入諸費用がかかります。購入直後の修繕や募集費用も別枠で確保しておけば、運転資金が枯れません。
融資は、金融機関の審査方針、担保評価、土地価格、借主の属性、収支の余力、自己資金比率などが総合的に影響します。融資期間は物件の構造だけで決まらないため、複数行に打診して条件の幅を掴む進め方が有効です。
地場に強い不動産会社を活用した情報収集と現地調査
広島市の賃貸市場は区や沿線ごとに需給が細かく分かれ、ポータルサイトの情報だけでは成約賃料や空室期間の実態まで読み取れません。地元で管理や仲介を手がける会社の肌感覚が、机上の数字を補完します。
現地では建物本体だけでなく管理の状態も確認します。ポストにチラシが溢れている、駐輪場が乱れているといった状況は管理の手が行き届いていないサイン。管理の状態は入居者の満足度や定着に影響する要素として見逃せません。
空室リスクや修繕費用を見込んだ収支シミュレーション
シミュレーションは、うまくいった場合ではなく、うまくいかなかった場合で作ります。組み込んでおきたい変数は次のとおりです。
- 空室率(強気の想定ではなく、周辺の実際の空室期間から逆算する)
- 管理費、原状回復費、募集広告費、火災保険料、大規模修繕の概算
- 固定資産税、対象物件が市街化区域内にある場合の都市計画税
- 変動金利の場合、金利が1〜2%上昇した際の返済額
広島市の都市計画税は市街化区域内の土地・家屋が対象で税率は0.3%。市街化調整区域などでは課されない場合があるため、対象物件の区域区分を確認してください。これらを差し引いた後の返済後キャッシュフローが、税引前で手元に残る金額です。
購入後に安定した収益を維持するための賃貸管理と運用
購入時の数字は、運用の質で上下します。高い稼働率の維持は、想定した利回りの低下を防ぐ取り組み。数字そのものを押し上げるなら、賃料や付帯収入を増やす、運営費を削るといった働きかけが必要です。
広島市内の賃貸市場に精通した管理会社の選定
遠方から運用する場合、管理会社の募集力や対応力は、空室期間や運営コストに影響する重要な要素になります。確認したいのは次の点です。
- 管理物件の平均空室期間と入居率を数字で開示できるか
- 募集図面の作り方、写真の質、掲載媒体の範囲
- 原状回復見積の透明性、報告の頻度、トラブル時の初動の速さ
管理料の差額は年間賃料によって変わります。例えば年間賃料300万円なら、管理料率3%と5%の差は年間6万円。一方で空室が1か月延びれば家賃1か月分がまとめて失われるため、料率だけでなく空室期間、募集費用、修繕対応、報告体制まで含めて比較してください。
入居率を高めるための設備投資と定期メンテナンス
設備投資は費用と効果の関係で考えます。単身向けなら室内洗濯機置場、独立洗面台、宅配ボックス、インターネット無料などが比較されやすく、ファミリー向けでは駐車場や収納の使いやすさが検討材料に。ただし導入効果は周辺の競合物件や入居者層によって異なります。
一方で間取り変更や高級設備の導入は効果が読みにくく、回収期間も長期化しがち。定期的な清掃と共用部の小修繕を積み重ねるほうが定着に効くケースも珍しくありません。設備を足す前に、募集条件と募集時期を点検してください。
不動産オーナーが押さえておくべき資産価値最大化と売却戦略
不動産投資の成績は、保有中のキャッシュフローと売却時の損益を合算して初めて確定します。買う前から出口を設計しておく発想が、結果の幅を狭めてくれます。
広島市の不動産市場動向から見極める売却タイミング
広島市の土地価格は近年上昇が続き、中心部や再開発の進むエリアでは市平均を超える動きも見られます。売却を検討するなら、周辺の売出・成約事例と自分の物件の稼働状況を並べて判断するのが基本。適正な賃料で安定稼働している物件は収益性を説明しやすく、査定上のプラス材料になることがあります。ただし相場より低い賃料での満室や、広告料に依存した入居、滞納・短期解約のリスクがある場合は、満室でも評価が上がるとは限りません。
税務面では、個人が所有する土地・建物の売却について、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合に長期譲渡所得となり、税率が変わります。取得日から5年経過していれば足りるわけではない点に注意が必要で、法人所有では扱いが異なるため、具体的な判断は税理士への確認が前提です。
納得できる条件での売却を目指す査定・買替の手順
査定は複数社に依頼し、金額だけでなく根拠を比較します。収益物件の査定額は想定賃料や還元利回りの取り方で変わるため、その前提が現実的かを見る目が必要です。査定価格は売却価格を保証するものではなく、市況、金利、稼働状況、買主の融資条件にも左右されます。売却前に整えたい材料は次のとおりです。
- 賃貸借契約書、家賃入金の履歴、レントロール(賃料一覧表)
- 修繕履歴と直近の工事内容、長期修繕計画
- 建築確認済証、検査済証などの法令関係書類
買替を狙う場合は、売却と次の取得のタイミング設計が要。売却代金を次の自己資金に充てるなら、譲渡益に対する税負担も織り込んで手元資金を試算しておけば、資金ショートを避けられます。
✓ポイント:出口で困る投資家の多くは「いくらで買えるか」だけを考え、「いくらで売れるか」を検討していません。土地の評価額、再建築の可否、次の買い手が組める融資の姿を購入前に想定しておけば、判断できる選択肢の幅が広がります。
まとめ:広島市の特性を活かして着実な不動産投資をスタートしよう
広島市の投資物件で成果を出す道筋は、①区・沿線レベルで需要を読む、②貸す相手を決めてエリアと物件タイプを選ぶ、③資金計画と収支シミュレーションを先に固める、④管理会社と運用で稼働を守る、⑤出口と税務を見据えて売却時期を設計する、の5工程に集約されます。
最後まで意識したいのは、売出資料の表面利回りと、経費や返済を引いた後に手元へ残る金額は別物だということ。実質の数字で判断する姿勢が、地方都市での投資を安定させます。
株式会社ASULANDでは、広島市を中心に、不動産売却や不動産投資に関するご相談に対応しています。物件選びの考え方から保有物件の運用、将来の売却や買替の検討まで、地元の市場を踏まえてお話しできることは少なくありません。広島市での不動産投資をご検討中でしたら、現在の状況とお考えをお聞かせください。
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コラム 2026/08/06
地方都市での不動産投資で、「高利回りと安定稼働の両立は難しい」と感じている方は多いのではないでしょうか。利回りの高い物件は郊外の築古ばかりで、都心部は価格が上がって数字が出ない。そんなジレンマは珍しくありません。
先に結論をお伝えすると、広島市内でも築年数や立地、稼働状況によっては表面利回り10%前後で売り出される中古収益物件があります。ただし10%は広島市全体の一般的な水準を示すものではありません。空室、修繕費、管理費、固定資産税、購入諸費用を差し引くと、手元に残る利回りは表面利回りを下回るのが通常です。
だからこそ10%は、需要構造を読み、物件の弱点を価格に織り込み、運用と出口まで設計した先に近づく目標といえます。広島市の不動産売却・投資をサポートしてきた株式会社ASULANDの視点から、市場の読み方と物件選定、運用とリスク対策を整理します。
本記事で使う「利回り」の定義
- 表面利回り:年間家賃収入 ÷ 購入価格。経費も購入諸費用も含まない
- 満室想定利回り/現況利回り:満室想定の家賃で計算したものと、実際の入居家賃で計算したもの
- 実質利回り:管理費・修繕費・税金・空室損を引き、購入諸費用を含む総投資額で割ったもの
- 返済後キャッシュフロー:実質的な収入から融資返済額を引いた手残り
売出資料の「利回り」は多くの場合、満室想定の表面利回り。以降の10%も表面利回りを指します。
目次
- 1. 広島市の中古収益物件で利回り10%が狙える理由
o 広島市内における賃貸需要と世帯数の動向
o 新築物件と比較した中古物件の価格構造 - 2. 高利回りを実現しやすい広島市内の注目エリア
o 単身者需要が集中する都心部および主要沿線エリア
o 手頃な価格帯で安定稼働が見込める郊外・大学周辺エリア - 3. 利回り10%を狙うためのターゲット物件の選び方
o 価格と耐久性のバランスから考える築年数・構造の見方
o 修繕履歴と管理状態から見極める掘り出し物件の条件 - 4. 購入後に利回りを維持・改善させる運用戦略
o 空室期間を短縮するコストパフォーマンス重視のリノベーション
o 地元の賃貸市場に強い管理会社とのパートナーシップ構築 - 5. 高利回り中古物件投資で注意すべきリスクと対策
o 大規模修繕リスクを事前に把握する建物調査とデューデリジェンス
o 出口戦略を見据えた資金計画と融資条件の最適化 - 6. 正しい知識と戦略で広島市の中古収益物件投資を成功させよう
広島市の中古収益物件で利回り10%が狙える理由
投資家が広島市に注目する理由は、政令指定都市としての賃貸需要と、大都市圏より抑えられた物件価格の組み合わせにあります。ただし需要も価格も市内で一様ではなく、区ごとに方向が分かれます。この差を読み分けられるかが、数字の再現性を左右します。
広島市内における賃貸需要と世帯数の動向
賃貸経営の土台は人口ではなく世帯数です。2025年国勢調査の速報値では、広島市の人口は2020年比で2.4%減った一方、世帯数は1.3%増えて562,105世帯となりました。人口が減っても世帯が細分化すれば、必要な住戸数そのものは減りにくいという構造が読み取れます。
ただし増減の方向は区で分かれています。
- 世帯数が増えた区:中区(4.7%増)、佐伯区(2.8%増)、安佐南区(2.7%増)、南区(1.7%増)
- 世帯数が減った区:安佐北区(2.8%減)、西区(0.9%減)、安芸区(0.8%減)
単独世帯の増加も見込まれ、単身向け住戸の需要を下支えします。ただし単独世帯には持ち家の高齢単身者なども含まれ、全員が民間賃貸を利用するわけではありません。物件周辺の賃貸世帯数、募集戸数、成約賃料、空室期間まで確認してください。
✓ポイント:市全体の人口推移だけで「地方だから縮小」と判断するのは誤りですが、市全体の世帯数増加だけで「どの区も堅調」と考えるのも同じくらい危険です。見るべきは区・沿線レベルの動向です。
新築物件と比較した中古物件の価格構造
利回りを優先するなら、選択肢は実質的に中古物件へ絞られます。新築は建築コストの上昇分が販売価格に反映されるため、同じ家賃水準でも取得価格が高くなり、表面利回りは中古より低くなる傾向があります。
中古物件は、価格が下がっても家賃が同じ比率では下がりません。築20年を超えると賃料の下落幅が緩やかになり、価格だけが先に調整される局面が生まれます。この価格と家賃の下落スピードのズレが、中古物件の利回りを押し上げる要因です。年間家賃収入200万円の物件なら、2,000万円で取得できれば表面利回りは10%、3,000万円なら6.7%になります。
一方で地価は上昇が続いています。2025年の地価調査における広島市の平均変動率は住宅地1.8%、商業地4.2%。区別では中区の住宅地4.9%、南区の商業地5.9%が市平均を上回りました。取得価格が一律に割安とはいえない局面であり、特に都心部では価格上昇が利回りを圧縮する方向に働きます。
高利回りを実現しやすい広島市内の注目エリア
エリア選定は、「利回りの高さ」と「稼働の安定性」のどちらを主軸に置くかで変わります。広島市内では、都心部・主要沿線で安定性を取る戦略と、郊外・大学周辺で利回りを取る戦略が現実的です。
単身者需要が集中する都心部および主要沿線エリア
中区(紙屋町・八丁堀周辺)、南区(広島駅周辺)、西区(横川・西広島)は、通勤利便性の高さから単身者の需要が集まります。中区はオフィス集積による転勤者・法人契約の需要が厚く、南区は広島駅周辺の再開発で交通結節点としての価値が上昇。両区は世帯数も増えており、稼働の安定性という点で読みやすい立地です。
ただし取得価格が高くなりやすく、郊外の築古物件と比べると表面利回りは低くなる傾向があります。都心部で二桁を狙うなら、築年数の古い物件や駅から距離のある立地が候補です。
手頃な価格帯で安定稼働が見込める郊外・大学周辺エリア
利回りを優先するなら、安佐南区や佐伯区が候補に入ります。取得価格が都心部より抑えられるため、同じ家賃水準でも利回りが高く出る計算です。両区はいずれも世帯数が増加しており、郊外でも需要の方向が下向きではありません。
安佐南区はアストラムライン沿線に住宅地が広がり、複数の大学が立地。佐伯区にも大学があり、学生向けのワンルーム需要が形成されています。学生需要はサイクルが読みやすい反面、繁忙期を外すと空室が長引くため、募集時期の設計が重要です。なお同じ郊外でも安佐北区と安芸区は世帯数が減っており、同列には扱えません。
✓ポイント:郊外・大学周辺は高利回りを取りやすい一方、需要源が特定の施設に依存しがちです。その施設がなくなっても最低限の需要が残るかという視点で検証してください。
利回り10%を狙うためのターゲット物件の選び方
高利回り物件の選定で失敗する典型は、売出資料の表面利回りだけで判断してしまうパターンです。その数字が取得時だけのものか、10年後も維持できるものかを分けるのは、築年数・構造・管理履歴の総合判断にあります。
価格と耐久性のバランスから考える築年数・構造の見方
まず整理したいのが法定耐用年数の意味です。税務上の法定耐用年数は住宅用の場合、木造22年、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造47年、金属造は骨格材の肉厚が4mm超で34年、3mm超4mm以下で27年と定められています。これは減価償却の期間であり、建物の物理的な寿命ではありません。
金融機関が残存耐用年数を審査材料にすることはありますが、融資期間はそれだけで決まりません。審査方針、担保評価、土地価格、借主の属性、収支の余力、自己資金比率などが総合的に影響します。
耐震性の確認手順は次のとおりです。
- 1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物かどうかを確認する
- 登記上の建築年月だけで判断せず、建築確認済証、検査済証、建築計画概要書などを照合する
- 木造の在来軸組工法については、2000年6月1日の仕様規定明確化も確認材料になる
築年数だけで狙い目は決まりません。構造、土地評価、修繕履歴、法令適合性、融資条件を合わせて判断します。
修繕履歴と管理状態から見極める掘り出し物件の条件
同じ築年数でも状態には大きな差が生まれます。決め手になるのは、これまでどう手入れされてきたかという履歴です。
- 屋上防水・外壁塗装の実施年と工事内容、給排水管の更新状況
- 修繕積立金の残高と長期修繕計画の有無(区分所有の場合)
- 共用部の清掃状況、ゴミ置き場の管理、掲示物の更新頻度
修繕周期は工法や劣化状況、立地環境で異なります。国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでも、外壁塗装や屋上防水の周期例を12〜15年程度としつつ、時期はおおよその目安であり立地条件等により異なると明記されています。同ガイドラインは分譲マンションを主な対象としており、一棟賃貸物件にそのまま当てはめることはできません。年数ではなく現地調査と工事記録で判断してください。
✓ポイント:価格が安い背景には必ず理由があります。立地や築年数なら価格に織り込むしかありませんが、管理不全による空室や賃料設定のミスなら購入後の改善余地が残ります。安さの理由を分解し、自分で解決できるかを見極める作業が掘り出し物件への近道です。
出典:長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン|国土交通省
購入後に利回りを維持・改善させる運用戦略
取得時の数字は運用の質で上下します。1戸のみを所有して2か月空室になれば年間家賃収入は約16.7%減少しますが、一棟物件では空室戸数と賃料構成で影響率が変わり、10戸のうち1戸が2か月空くケースなら影響は2%程度です。
高い稼働率の維持は、想定した利回りの低下を防ぐ取り組みにあたります。数字そのものを押し上げるには、賃料や付帯収入を増やす、取得価格を抑える、運営費を削って実質利回りを改善するといった変化が必要です。
空室期間を短縮するコストパフォーマンス重視のリノベーション
原状回復を超える工事は費用と効果の関係で判断します。投資額を賃料上昇分で3〜5年以内に回収できるかという目安の一例はありますが、実際には空室期間の短縮効果や再募集時の競争力も含めた個別の検証が必要です。
- 費用対効果が高い工事:アクセントクロス、照明器具や水栓の交換、モニター付きインターホン
- 効果が読みにくい工事:フルスケルトンリノベーション、間取り変更、高級設備の導入
- 訴求力の高い設備:室内洗濯機置場、独立洗面台、宅配ボックス、インターネット無料
募集条件の見直しだけで反響が変わるケースもあります。工事の前に賃料設定と初期費用を再点検する順序が合理的です。
地元の賃貸市場に強い管理会社とのパートナーシップ構築
遠方に住むオーナーにとって、管理会社の力量は収益を左右する重要な因子です。広島市内では、地場の仲介ネットワークをどれだけ押さえているかが客付けスピードに表れます。
- 管理物件の平均空室期間と入居率の実績を数字で開示できるか
- 募集図面の作り方、写真の質、掲載媒体の範囲
- 原状回復見積の透明性と、報告頻度・トラブル時の初動の速さ
管理料が3%か5%かの差は年間で数万円ですが、空室が1か月延びれば家賃1か月分がまとめて失われます。手数料の安さではなく、繁忙期に確実に決めてくる体制があるかを複数社の比較で見極めてください。
高利回り中古物件投資で注意すべきリスクと対策
高い利回りには必ず対価があります。中古物件で想定すべき代表的なリスクは、想定外の修繕費と出口での売却難。この2点を購入前に数値化できているかが、机上の数字と手残りの差を決めます。
大規模修繕リスクを事前に把握する建物調査とデューデリジェンス
宅地建物取引業法上の建物状況調査(インスペクション)は、国の登録講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について目視・計測・非破壊検査を行う調査です。所要時間は規模により1〜3時間程度、費用は6万円程度からが目安とされています。
重要なのは、この調査がすべての瑕疵がないことを保証するものではない点です。消防設備の適法性、電気容量、給排水設備の残存寿命、法令違反の有無などは標準的な範囲の外にあります。一棟収益物件では、給排水・電気・消防設備や法令適合性を別途専門家へ依頼する前提で考えてください。
調査結果は価格交渉の根拠にもなります。修繕が必要な箇所の費用を価格に反映させる交渉ができれば、実質的な収益は購入前に改善できるという発想を持ちたいところです。
出典:建物状況調査(インスペクション)活用の手引き|国土交通省
出口戦略を見据えた資金計画と融資条件の最適化
高利回り物件は築年数が古いことが多く、次の買い手が融資を受けにくいという課題を抱えます。売りたいときに売れない状況を避けるには、購入時点から出口を設計しておく必要があります。
- 土地値に対する購入価格の比率を確認し、土地の価値で下支えできる物件を選ぶ
- 変動金利の場合、金利が1〜2%上昇した際の返済額を試算しておく
- 再建築の可否や接道条件など、次の買い手の融資に影響する要素を確認する
税務面では、個人が所有する土地・建物の売却について、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合に長期譲渡所得となり、所得税15%(および住民税5%、復興特別所得税)が課されます。取得日から5年経過していれば足りるわけではなく、法人所有では扱いが異なるため、税理士への確認が前提です。
✓ポイント:出口で困る投資家の多くは「いくらで買えるか」だけを考え、「いくらで売れるか」を検討していません。土地の評価額、再建築の可否、次の買い手が組める融資の姿を想定しておけば、リスクは大きく下がります。
正しい知識と戦略で広島市の中古収益物件投資を成功させよう
広島市の中古収益物件で利回り10%を目指す道筋は、①区・沿線レベルで需要を読む、②都心部と郊外で戦略を切り分ける、③築年数・構造・管理履歴を総合して物件を絞る、④運用と管理会社選定で稼働を守る、⑤建物調査と出口設計でリスクを抑える、の5工程に集約されます。
忘れてはいけないのは、売出資料の表面利回りと、経費と返済を引いた後に手元へ残る金額は別物だということ。10%を追うなら、表面ではなく実質の数字で判断する姿勢が欠かせません。
株式会社ASULANDは、広島市を中心に不動産の売却と投資をサポートしてきました。物件の見極めから購入後の運用、将来の売却まで、地元の市場を知る立場からお手伝いできる領域は少なくありません。広島市での収益物件投資をご検討中でしたら、まずは保有物件の状況や投資方針をお聞かせください。
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コラム 2026/07/14
親から実家を相続したものの、「住む予定もないし、どう売れば損をしないのか分からない」と手が止まっていませんか。相続した不動産の売却は、通常の売買と違って税金や登記のルールが複雑に絡み、知らないまま進めると本来払わずに済んだ税金を負担してしまうことも珍しくありません。
この記事では、広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDが、相続した広島市の不動産を売るときにかかる税金の仕組みと、負担を抑えるために使える特例・控除、そして実際の進め方までを一本のガイドにまとめました。全体像を先につかんでおけば、いつ・何から動けばよいかが自然と見えてきます。
目次
- 1. 相続した不動産の売却でまず押さえたい全体像
o 相続登記から売却までの基本ステップ
o 「相続登記の義務化」で何が変わったのか - 2. 相続不動産の売却でかかる税金の基礎知識
o 売却益にかかる「譲渡所得税」の仕組み
o 所有期間で変わる税率(長期・短期)
o 相続不動産ならではの「取得日・取得費の引き継ぎ」 - 3. 税金で損しないために活用したい特例・控除
o 相続税の取得費加算の特例
o 空き家の3,000万円特別控除
o 特例を使うときに気をつけたいこと - 4. 広島市で相続不動産を売却するときの進め方
o 売却のタイミングと市場の見極め
o 信頼できる不動産会社の選び方 - 5. まとめ:相続不動産の売却は「税金の知識」と「早めの準備」が鍵
相続した不動産の売却でまず押さえたい全体像
相続不動産の売却は、思い立ってすぐに売れるものではありません。理由は、売却の前提として「名義を自分に移す手続き(相続登記)」が必要になるからです。まずは全体の流れと、近年変わったルールを押さえておくと、後の動きがスムーズになります。
相続登記から売却までの基本ステップ
相続した不動産を売るまでには、いくつかの決まった手順があります。順番を知らずに動くと、途中で書類の不備や相続人間の意見のずれが発覚し、売却が大きく遅れることもあります。
一般的な流れは、次のとおりです。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
ステップ 主な内容 1. 遺産分割協議 誰がその不動産を相続するかを相続人全員で決める 2. 相続登記 法務局で不動産の名義を相続人へ変更する 3. 査定・媒介契約 不動産会社に価格査定を依頼し、売却を委託する 4. 売却活動・契約 買主を探し、売買契約を結ぶ 5. 引き渡し・確定申告 決済後に引き渡し、翌年に譲渡所得を申告する 特に見落としがちなのが、被相続人名義のままでは買主への所有権移転登記ができず、売却の決済・引き渡しまでに相続登記を済ませておく必要があるという点です。実務上は、売却活動や契約に入る前の段階で名義を整理しておくと安全です。
「相続登記の義務化」で何が変わったのか
以前は相続登記に期限がなく、名義変更をせずに放置されるケースが多くありました。ところが2024年4月から相続登記が義務化され、状況が大きく変わっています。
具体的には、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請を行うことが義務となり、正当な理由なく期限内に申請しないと、10万円以下の過料が科される可能性があるというルールになりました。さらに、2024年4月1日より前に相続したことを知っていた未登記の不動産も対象で、この場合は原則として2027年3月31日までに相続登記を行う必要があります。「まだ名義を変えていない」という物件を持っている方は、早めの対応が欠かせません。
✓ポイント:相続不動産の売却は「遺産分割 → 相続登記 → 売却」という順番が基本で、登記を飛ばして売ることはできません。相続登記の義務化により放置のリスクも高まっているため、売る・売らないを問わず、まずは名義の整理から着手するのが安全な進め方になります。
相続不動産の売却でかかる税金の基礎知識
相続した不動産を売って利益が出ると、その利益に対して税金がかかります。ここを理解しないまま売却額だけを見て判断すると、手元に残る金額が想定より大きく減ってしまうことがあります。まずは税金の全体構造を押さえておきましょう。
売却益にかかる「譲渡所得税」の仕組み
不動産を売って生じた利益には、「譲渡所得税」(所得税・復興特別所得税・住民税の総称)がかかります。ここで課税の対象になるのは売却価格そのものではなく、あくまで手元に残る「利益」の部分です。
譲渡所得は、次の式で計算します。
譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
取得費とは、その不動産を買ったときの価格や購入時の諸費用のこと。なお、建物の取得費は購入代金をそのまま使うのではなく、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。譲渡費用にできるのは、仲介手数料や、売却のために直接必要となった解体費などです。通常の修繕費や固定資産税、維持管理費は、原則として譲渡費用には含まれません。
相続した不動産では購入当時の資料が見つからないことも多いのですが、その場合は取得費を「譲渡価額の5%(概算取得費)」として計算できる仕組みがあります。ただし概算取得費は実額より低くなりがちで税額が増えるケースもあるほか、概算取得費を使う場合は相続人が支払った登記費用などを別途取得費に含められない点にも注意が必要です。まずは購入時の契約書や領収書を探すことが第一歩になります。
所有期間で変わる税率(長期・短期)
譲渡所得税でまず理解しておきたいのが、税率が一律ではないという点です。その不動産をどれだけの期間所有していたかによって、税率が大きく変わります。
区分と税率の目安は、以下のとおりです。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
区分 所有期間の目安 税率(所得税+住民税、復興特別所得税含む) 短期譲渡所得 5年以下 約39.63% 長期譲渡所得 5年超 約20.315% 同じ利益でも、短期と長期では税率が2倍近く変わります。ここで重要なのが、所有期間は「売った年の1月1日時点」で判定されるという点です。年末に急いで売るより、年をまたいで長期の区分に入ってから売却したほうが有利になる場合もあります。
相続不動産ならではの「取得日・取得費の引き継ぎ」
相続した不動産には、通常の売買にはない大きな特徴があります。それは、所有期間や取得費を、亡くなった被相続人の分から引き継げるという点です。
つまり、相続してから自分が持っていた期間が短くても、被相続人が長く所有していた不動産であれば、長期譲渡所得(約20.315%)の低い税率が適用されるケースが多くなります。取得費についても被相続人が買ったときの金額を引き継げるため、購入当時の契約書が残っていれば、概算取得費(5%)よりも有利に計算できる可能性があります。相続だからこそ使えるこの引き継ぎルールは、税額を左右する重要なポイントです。
出典:No.3270 相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期|国税庁
✓ポイント:譲渡所得税は「利益」に対してかかり、所有期間が5年を超えるかどうかで税率が大きく変わります。相続不動産は被相続人の所有期間と取得費を引き継げるため、多くの場合は長期の低い税率が使えます。売却前に購入時の資料を探し、取得費を正確に把握しておくことが、無駄な税負担を避ける近道です。
税金で損しないために活用したい特例・控除
相続不動産の売却では、税負担を軽くするための特例がいくつか用意されています。制度を知らずに申告すると、本来受けられたはずの控除を取りこぼしてしまいます。ここでは代表的な二つの特例と、使うときの注意点を紹介します。
相続税の取得費加算の特例
相続税を納めた方が使える可能性があるのが、「取得費加算の特例」です。これは、支払った相続税の一部を売却時の取得費に上乗せできる制度で、取得費が増える分だけ譲渡所得が圧縮され、結果として譲渡所得税が軽くなります。
この特例には期限があり、相続開始日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡することが条件です(相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月以内のため、実質的には相続開始から約3年10か月以内が目安になります)。相続税を納めた不動産を売る予定があるなら、この期間内に動くだけで税負担が変わってきます。相続税がかからなかった場合は対象外となるため、まずは自分が相続税を納めているかどうかを確認してみてください。
出典:No.3267 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁
空き家の3,000万円特別控除
相続した実家を売るときに特に大きな効果を持つのが、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、いわゆる空き家の3,000万円特別控除です。要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引けるため、売却益がその範囲内に収まれば税負担をゼロに近づけられる可能性もあります。
主な要件を整理すると、次のようになります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
項目 主な要件 建物 昭和56年5月31日以前に建築され、区分所有建物でないこと 居住状況 相続開始の直前に被相続人が一人で住んでいたこと(老人ホーム入所など一定の場合も対象) 利用状況 相続の時から譲渡の時まで、事業・貸付・居住に使われていないこと 売却の方法 家屋を売る場合は譲渡時に一定の耐震基準を満たすこと。満たさない場合は耐震改修後に売るか、取り壊して更地で売ること(令和6年1月1日以後の譲渡では、譲渡後その翌年2月15日までに耐震改修または取り壊しを行う場合も対象になり得る) 売却相手 親子・夫婦など特別の関係がある人への売却でないこと 他の特例 同じ家屋・敷地について取得費加算の特例など他の特例を受けていないこと 期限 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ令和9年(2027年)12月31日までの売却 金額 売却代金が1億円以下であること 近年の改正で使い勝手も広がっており、令和6年からは、買主が引き渡し後の翌年2月15日までに耐震改修または取り壊しを行う場合でも対象になりました。一方で、相続人が3人以上の場合は、一人あたりの控除額が2,000万円に縮小される点には注意が必要です。
出典:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
特例を使うときに気をつけたいこと
特例は強力な反面、要件が細かく、併用の可否や有利・不利の判断が難しいのが実情です。うっかり要件を外すと、思っていた控除がまるごと使えなくなることもあります。
たとえば、空き家特例を使うには市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」が必要で、そのための書類集めにも時間がかかります。また、同じ家屋・敷地については、空き家の3,000万円特別控除と相続税の取得費加算の特例を原則として併用できません。そのため、両方の適用余地がある場合は、税額を試算したうえで有利なほうを選ぶ必要があります。判断に迷うところなので、売却の方針が固まった段階で税理士など専門家に試算を依頼するのが確実です。
✓ポイント:相続不動産の売却では、「取得費加算の特例」と「空き家の3,000万円特別控除」という二つの制度が税負担を大きく左右します。どちらも期限や要件が厳格で、相続人の人数や売却方法によって使える金額が変わるため、売る前に適用可否を確認し、必要なら専門家に相談しておくことが損を防ぐ鍵になります。
広島市で相続不動産を売却するときの進め方
税金の知識を押さえたら、次は実際にどう売るかです。同じ相続不動産でも、売り方やタイミング、パートナー選びによって最終的な手取りは変わってきます。ここでは広島市で売却を進めるときの視点を整理します。
売却のタイミングと市場の見極め
売却で後悔しないためには、税金の期限と市場の状況の両方を見て動くことが大切です。特例の期限に間に合わせようと焦って安値で手放すのも、逆に相場を気にしすぎて期限を逃すのも、どちらも損につながります。
広島市は再開発の進む中心部と、落ち着いた住宅地が混在するエリアです。物件の立地によって買い手の付きやすさや価格帯は大きく異なるため、まずは複数社に査定を依頼し、相場観をつかむところから始めるとよいでしょう。特例の適用期限から逆算して売却スケジュールを組むと、税制メリットを取りこぼさずに進められます。
信頼できる不動産会社の選び方
相続不動産の売却は、税金・登記・相続人間の調整など、通常の売買以上に配慮すべき点が多い取引です。だからこそ、相続案件の扱いに慣れた不動産会社をパートナーに選ぶことが、スムーズな売却の分かれ道になります。
査定額の高さだけで選ぶのではなく、根拠のある価格提示ができるか、税理士や司法書士と連携して手続き全体をサポートできるか、地域の相場や買主の動きに詳しいかといった点を確認したいところです。地域に根ざした会社であれば、広島市ならではのエリア特性を踏まえた売却戦略を描いてくれます。
まとめ:相続不動産の売却は「税金の知識」と「早めの準備」が鍵
ここまで、相続した広島市の不動産を売るときにかかる税金の仕組みと、負担を抑える特例、そして進め方を見てきました。要点をまとめるなら、譲渡所得税の仕組みを理解し、取得費や特例を正しく使い、期限から逆算して早めに動くことが、損をしない売却の条件になります。
相続不動産の売却は、相続登記から始まり、譲渡所得税の計算、特例の適用判断、そして売却活動と、いくつもの工程が絡み合います。一つひとつは難しく見えても、順番に押さえていけば決して手に負えないものではありません。大切なのは、期限のある特例を逃さないよう、早い段階で全体像を描いておくことです。
広島市で相続した不動産の売却をお考えの方は、まず信頼できる相談先を持つところから始めてみてください。広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDは、地域密着の立場から、税務上の確認ポイントを整理し、必要に応じて税理士・司法書士などの専門家と連携しながら、売却の実行までサポートします。判断に迷ったときは、ぜひ気軽にご相談ください。
※本記事は一般的な税制の解説であり、個別の税額や特例の適用可否は状況によって異なります。実際の申告にあたっては、税理士など専門家への確認をおすすめします。
- 1. 相続した不動産の売却でまず押さえたい全体像
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コラム 2026/07/10
広島市で不動産投資を始めたい、あるいは保有資産の組み換えを考えている——そんなとき、最初にぶつかるのが「どの物件を選べば安定して収益を生み出せるのか」という問いではないでしょうか。エリアの特性や出口戦略を見ないまま購入に踏み切ると、想定外の空室や資産価値の下落を招き、資産形成どころか損失を抱え込むリスクさえあります。
本記事では、広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDが、広島市ならではの市場の特徴と、中長期の資産形成を成功に導く「失敗しない物件選びの7か条」を整理して解説します。判断の軸を一度つかんでおけば、次の一手に迷いがなくなるはずです。
目次
- 1. 広島市が不動産投資のエリアとして注目される理由
o 再開発による中心市街地の活性化と将来性
o 安定した賃貸需要を支える産業と人口動態 - 2. 広島市の投資物件で資産形成|失敗しない物件選び7か条
o 1. 交通アクセスの利便性を最優先する
o 2. 再開発エリア周辺の地価動向を見極める
o 3. ターゲット層の需要に合わせた間取りを選ぶ
o 4. ハザードマップで水害などの自然災害リスクを確認する
o 5. 将来の売却(出口戦略)を見据えて流動性の高さを評価する
o 6. 車社会を考慮した駐車場の有無と周辺環境をチェックする
o 7. 過去の修繕履歴と建物の管理状態を徹底的に確認する - 3. 広島市での不動産投資において注意すべきリスクと対策
o 競合物件の増加による家賃下落リスクへの備え
o 信頼できる地場の不動産管理会社との連携の重要性 - 4. まとめ:広島市の不動産投資は綿密なリサーチと出口戦略が鍵
広島市が不動産投資のエリアとして注目される理由
広島市は、中四国地方で最大の人口規模を持つ中枢都市として、投資エリアとして一定の底堅さを備えています。理由はシンプルで、駅を中心とした再開発の動きと、産業に支えられた賃貸需要という二つの要素があるからです。ただし中枢都市とはいえ、人口減少や少子高齢化の影響は避けられません。だからこそ、駅近・生活利便性・雇用の集積など、需要が集まりやすいエリアを選ぶことが何よりも大切になります。
再開発による中心市街地の活性化と将来性
投資エリアとしての将来性を測る指標のひとつが、再開発の有無です。広島市では広島駅周辺を中心に大規模な再整備が進み、駅ビルの建て替えや路面電車の駅前大橋ルート整備など、街の表情が大きく変わりつつあります。再開発は、周辺の利便性や注目度を高める要素になります。ただし、再開発があれば必ず資産価値が上がるとは限りません。取得価格や利回り、賃貸需要、そして将来の売却需要まであわせて確認することが欠かせません。
紙屋町・八丁堀といった従来からの中心市街地でも、都市機能の更新が段階的に進んでいます。こうした変化の中心にある物件は注目されやすい一方、実際の投資判断では地価公示や地価調査、取引事例、賃料相場を確認したうえで見極めることが求められます。
安定した賃貸需要を支える産業と人口動態
賃貸需要の厚みは、その街を支える産業構造から生まれます。広島市は自動車をはじめとする製造業や、行政・医療・教育などの中枢機能が集まる都市であり、働く世代・学生・ファミリー層の需要が見込めるエリアもあります。大学や専門学校も多く、単身者からファミリーまで幅広い賃貸ニーズが存在します。
ただし人口動態は、区や年齢層によって大きく異なります。市全体の平均だけを見て判断するのは避けたいところで、推計人口や人口移動統計といった公的データで、エリアごとの実態を確かめる視点が欠かせません。産業と人の流れという土台を押さえたうえで、次に紹介する7か条へ進んでいきます。
出典:人口移動統計調査|広島県
✓ポイント:広島市が投資先として注目される背景には「再開発による将来性」と「産業に支えられた賃貸需要」があります。ただし市全体を一括りにするのではなく、成長エリアと停滞エリアを見分ける目を持つことが、成否を分ける最初の分岐点になります。
広島市の投資物件で資産形成|失敗しない物件選び7か条
ここからは、広島市で実際に物件を選ぶときにチェックしたい7つの視点を順番に見ていきます。結論からいえば、「収益性・将来性・流動性」の三つを同時に満たす物件こそが、資産形成の土台になるという一点に尽きます。感覚や勢いで買うのではなく、次の7か条を判断のチェックリストとして使ってみてください。
1. 交通アクセスの利便性を最優先する
物件選びで最初に重視すべきは、交通アクセスの良さです。入居者が部屋を探すとき、勤務先や学校への通いやすさは最優先の条件になるため、駅や主要バス路線に近い物件ほど空室リスクを抑えやすくなります。
広島市は路面電車やバス網が発達しており、鉄道の駅だけでなく電停やバス停までの距離も評価軸に加えるのが実情に合っています。徒歩10分圏かどうか、雨の日でも苦にならない動線か——入居者目線で歩いてみると、数字だけでは見えない魅力や弱点が浮かび上がってきます。
2. 再開発エリア周辺の地価動向を見極める
将来の資産価値を左右するのが、地価がこれから上がる余地のあるエリアかどうかです。再開発が進む地域では、事業の進捗に合わせて地価が動く傾向があり、取得のタイミングや価格次第で将来の売却益を見込める場合もあります。ただし、地価が上昇しているエリアほど購入価格も高くなりやすく、利回りが下がる点には注意が必要です。利回りと出口価格はセットで検証する、という姿勢を忘れないでください。
判断材料として役立つのが、国土交通省が公表する地価公示や、都道府県の地価調査といった公的データです。過去数年の推移を並べて「上昇基調か、横ばいか、下落か」を確認するだけでも、感覚に頼らない意思決定ができます。再開発計画の情報とあわせて読み解くと、伸びしろのあるエリアが見えてきます。
出典:地価公示|国土交通省
3. ターゲット層の需要に合わせた間取りを選ぶ
安定した稼働を実現するには、エリアの需要と間取りを一致させることが欠かせません。学生や単身社会人が多い地域でファミリー向けの広い物件を買っても、ターゲットとのミスマッチで空室が長引くおそれがあります。
エリアごとの需要と間取りの目安を整理すると、次のようになります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
主なターゲット層 向いている立地の特徴 適した間取りの一例 学生・単身社会人 大学・繁華街・オフィス街の近く ワンルーム〜1K 共働きの夫婦・DINKS 駅近で職住近接なエリア 1LDK〜2LDK ファミリー層 生活利便施設や学区が整った地域 2LDK〜3LDK まずは物件周辺にどんな層が暮らしているかを調べ、その需要に合った間取りを選ぶ。この順番を守るだけで、購入後の稼働の安定感が大きく変わります。
4. ハザードマップで水害などの自然災害リスクを確認する
見落とされがちですが、災害リスクの確認は資産を守るうえで欠かせません。水害や土砂災害の想定区域にある物件は、被災による損失だけでなく、入居希望者に敬遠されて空室が長引くリスクも抱えます。
広島市は過去に豪雨災害を経験した地域を含むため、川沿いや傾斜地に立地する物件では特に慎重な確認が求められます。購入前には、広島市のハザードマップで洪水・雨水出水(内水)・高潮・土砂災害といったリスクを確認しておくことが欠かせません。不動産取引では水害リスク情報が重要事項説明の対象になっているため、説明の内容と現地の状況を照らし合わせることも大切です。災害リスクは「価格の安さ」で安易に相殺してよい要素ではないと心に留めておいてください。
出典:ハザードマップ|広島市
5. 将来の売却(出口戦略)を見据えて流動性の高さを評価する
不動産投資は、売却してはじめて損益が確定します。つまり買う瞬間から、「将来この物件を、いくらで、どれくらいの期間で売れるか」という出口戦略を描いておくことが成否を分けます。
流動性の高い物件、すなわち売りたいときに買い手が見つかりやすい物件には、駅からの距離が近い、需要の厚い間取りである、権利関係が明快であるといった共通点があります。逆に、特殊な立地や過度に個性的な間取りは、収益が出ていても売却に時間がかかりがちです。保有期間中のキャッシュフローだけでなく、手放すときの姿まで想像して選びましょう。
✓ポイント:出口を見ずに購入した物件は、いざ売ろうとしたときに買い手がつかず、資産が「塩漬け」になりかねません。入口(購入)と出口(売却)はセットで設計するもの、という感覚を持つことが、失敗を避ける近道になります。
6. 車社会を考慮した駐車場の有無と周辺環境をチェックする
地方都市での投資で軽視できないのが、駐車場の有無です。広島市は公共交通が充実している一方で、郊外を中心に車を日常的に使う生活圏が広がっており、エリアによっては駐車場の確保が入居の絶対条件になります。
敷地内に駐車場があるか、世帯数に対して台数は足りているか、近隣に月極駐車場を確保できるか。機械式駐車場の場合は、将来の維持・修繕にかかる費用も見落とせません。周辺にスーパーや医療機関、学校などの生活利便施設がそろっているかも含め、「車を持つ入居者が快適に暮らせるか」という視点で環境を見渡してみてください。
7. 過去の修繕履歴と建物の管理状態を徹底的に確認する
長く収益を生む物件かどうかは、建物の管理状態に表れます。表面利回りが高く見えても、修繕を先送りしてきた物件は、購入後に大規模な出費が重なり、実質的な収益を圧迫しかねません。
区分マンションであれば修繕積立金の残高や長期修繕計画、一棟物件であれば屋根・外壁・給排水管の修繕履歴を確認します。共用部の清掃状況やゴミ置き場の管理具合といった細部にも、管理の質はにじみ出るものです。次のような点を、内見時のチェックリストとして持っておくと安心です。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
確認項目 見るべきポイント 修繕履歴・計画 過去の工事内容と今後の予定が明確か 修繕積立金(区分の場合) 残高が十分で、計画に見合っているか 共用部の状態 清掃・照明・郵便受け周りが管理されているか 設備の劣化 給排水管・外壁・屋根に大きな傷みはないか 数字に表れない「建物の健康状態」を見抜く力が、長期保有の安定を支えます。
出典:マンションの修繕積立金に関するガイドライン|国土交通省
広島市での不動産投資において注意すべきリスクと対策
7か条を押さえたうえで、あわせて向き合っておきたいのがエリア特有のリスクです。結論として、リスクは「起こる前提」で備えておくことで、はじめてコントロール可能になるといえます。ここでは特に意識したい二つのリスクと対策を見ていきます。
競合物件の増加による家賃下落リスクへの備え
需要が旺盛なエリアには、新築の賃貸物件が次々と供給されるという裏側があります。供給が増えれば競争が激しくなり、築年数の経った物件から順に家賃の引き下げ圧力を受けかねません。
対策の基本は、価格競争に巻き込まれない付加価値を持たせることです。設備のグレードアップや内装のリフォーム、インターネット無料化といった工夫で、「多少家賃が高くても選ばれる部屋」に育てていく発想が有効です。周辺の家賃相場を定期的に把握し、競合の動きに先回りして手を打つ姿勢が、収益を守る盾になります。
信頼できる地場の不動産管理会社との連携の重要性
遠隔地の投資家にとって特に重要なのが、現地を任せられるパートナーの存在です。入居者募集や家賃回収、トラブル対応やメンテナンスまで、日々の運用の質はパートナー次第で大きく変わります。
地域に根ざした管理会社は、エリアの賃貸需要や相場観、入居者の傾向を肌感覚で把握しています。だからこそ、空室が出たときの客付けの速さや、修繕の適切な判断といった場面で差が生まれます。物件そのものだけでなく、「誰と組んで運用するか」という視点で足元を固めることが、安定経営への近道になります。
✓ポイント:広島市の不動産投資では、「競合対策」と「運用パートナー選び」の二つが長期の収益を左右します。物件を買って終わりではなく、買ったあとにどう育て、誰と守っていくかまで描いておくことが、リスクを味方に変える鍵になります。
まとめ:広島市の不動産投資は綿密なリサーチと出口戦略が鍵
ここまで、広島市で失敗しない物件選びの7か条と、注意すべきリスクへの備えを見てきました。ポイントを一言でまとめるなら、再開発と賃貸需要という追い風を読み解きつつ、収益性・将来性・流動性の三つを満たす物件を、出口戦略まで描いて選ぶことに尽きます。
交通アクセスや地価動向、ターゲットに合った間取り、災害リスク、駐車場、建物の管理状態——一つひとつを丁寧に確かめる作業は地道ですが、その積み重ねが資産形成の確かな土台になります。感覚ではなくデータと計画に基づいて判断する投資家ほど、長期にわたって安定した成果を手にしています。
広島市で不動産投資や資産の組み換えを検討されている方は、まず信頼できる相談相手を持つところから始めてみてください。広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDは、地域密着の立場から、物件選びから出口戦略までを一貫してお手伝いします。次の一歩に迷ったときは、ぜひ気軽にご相談ください。
- 1. 広島市が不動産投資のエリアとして注目される理由
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コラム 2026/06/04
広島市の収益物件で月50万円の家賃収入を目指す|利回り重視の購入術
不動産投資に取り組む方にとって、「月50万円」という収入の目安は、専業化や経済的自由を思い描くうえで一つの大きな節目になります。ただし、ここで言う金額には注意が必要です。本記事ではまず月50万円の「家賃収入」を目安に置き、そのうえで、そこから経費や返済を差し引いた実際のキャッシュフロー(手残り)を確認していく、という順番で考えていきます。
鍵を握るのは、物件価格と賃貸需要のバランスです。都心部では物件価格が高騰して利回りが下がり、目安の家賃収入に届かせるのは簡単ではありません。一方で、この二つの折り合いがつきやすい街として、広島市は利回りを重視する投資家にとって検討する価値のあるエリアになります。首都圏や関西圏に比べて取得価格を抑えやすく、中枢都市ならではの需要も見込めるからです。
この記事では、広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDが、これから規模拡大を狙う投資家やすでに物件を保有するオーナーの皆さんに向けて、広島市で利回りを狙う理由から、具体的な購入術、そして出口戦略までを順に整理します。読み終えるころには、「月50万円」という目標を逆算で考える視点が身についているはずです。
目次
月50万円の家賃収入を「利回り」から逆算して考える
「月50万円の家賃収入」を目指すうえで、まず押さえたいのが利回りの考え方です。家賃収入を効率よく得るには、物件の取得費を抑えつつ高い賃料を得る——つまり利回りをどれだけ高く保てるかがカギを握ります。なお、家賃収入と、そこから経費・返済・税金を引いた後のキャッシュフロー(手残り)は別物である点は、最初に押さえておきたいところです。
首都圏や関西圏の物件は、価格が高い分だけ表面利回りが低く出やすく、目標額に届かせるには多額の自己資金や長い時間が必要になりがちです。一方、地方中枢都市のなかでも広島市は、取得価格を抑えながら一定の需要も見込めるため、利回り重視の戦略と相性が良いエリアと言えます。
ここで、目標を逆算で整理してみます。仮に年間600万円(月50万円)の家賃収入を得るとして、表面利回り別に必要な物件規模を並べると、おおよそ次のようになります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
表面利回り 必要な物件規模(目安) 想定年間家賃 6% 約1億円 600万円 8% 約7,500万円 600万円 10% 約6,000万円 600万円 この表は満室を想定した年間家賃収入を単純計算したもので、実際の手残りではありません。購入時の諸費用や空室損、管理費・修繕費、固定資産税・都市計画税、ローン返済を考慮すると、必要な物件規模や自己資金はさらに変わってきます。予定どおりの賃料収入が保証されるわけでもありません。実際に手元へ残るキャッシュフローは、これらを差し引いた後の金額になり、表の数字よりかなり小さくなるのが通常です。
✓ポイント:月50万円の家賃収入は、一棟で一気に狙うよりも、利回りの高い物件を積み上げたり、自己資金の入れ方を工夫したりして設計するのが現実的です。「表面利回り」や家賃収入の額面ではなく、経費を引いた後の「実質的な手残り」で組み立てる視点こそが、目標到達への土台になります。
出典:不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則|不動産公正取引協議会連合会
なぜ広島市なのか?利回りと安定稼働の好バランス
広島市が利回り投資の舞台として注目されるのは、「価格の手ごろさ」と「需要の見込みやすさ」を両立しやすいからです。物件単体の数字だけでなく、街全体の動きまで含めて見ると、その背景がはっきりしてきます。理由を三つの角度から見ていきます。
物件価格の優位性と高い表面利回り
東京や大阪と比べると、広島市の物件価格は落ち着いた水準にあります。投資用物件のポータルサイトや地元の売却情報を見ると、築古・郊外・再生前提といった条件の物件で、表面利回り10%台の案件が出ることもあります。ただし、こうした高利回り物件は、空室・修繕・流動性などのリスクを抱えている場合も少なくありません。利回りの数字に飛びつくのは禁物で、空室率や修繕費を織り込んだ実質利回りで採算を確かめる作業が欠かせません。
中枢都市としての賃貸需要
広島市は中国・四国地方の経済拠点で、企業の支店や事業所が集まる「支店経済」の色合いが濃い街です。転勤族や単身者、学生、ファミリー層まで、幅広い層の住まいニーズが存在します。ただし、市全体では人口減少の局面に入っているのも事実です。だからこそ、市の総人口の増減と、駅近・生活利便性の高いエリア単位の需要は、切り分けて捉える必要があります。
再開発によるエリア価値の底上げ
広島駅周辺では、新駅ビル「ミナモア」が2025年3月に開業し、路面電車の駅前大橋ルートも2025年8月に開業しました。中心市街地でも再開発が進行中です。こうした街の利便性向上は、周辺エリアの不動産価値や賃貸需要を下支えする方向に働きます。再開発の効果が及ぶ範囲を見極められれば、インカムとキャピタルの両面で追い風を取り込みやすくなります。
✓ポイント:広島市の強みは、「価格の手ごろさ」「一定の需要」「再開発による底上げ」という三つが重なっている点にあります。ただし、その恩恵にはエリアや物件によって濃淡があるため、市全体の平均ではなく、狙うエリアの実情で判断することが大切です。
出典:広島新駅ビル「ミナモア」が2025年3月24日(月)グランドオープン!|西日本旅客鉄道
広島市場に特化した購入術と物件選び
ここからは、利回りを意識した具体的な物件選びに踏み込みます。広島市で手元のキャッシュフローを厚くするには、「物件タイプ」「エリア」「バリューアップと融資」という三つの観点を組み合わせるのが近道です。
利回りを引き上げるターゲット物件
初期投資を抑えつつ利回りを確保したいなら、中古の木造アパートや、近年需要が高まっている中古戸建て賃貸が候補になります。区分マンションより一棟や戸建てのほうが利回りは出やすい一方、修繕や管理の手間は増えます。手間とリターンのバランスを見ながら選ぶのが現実的です。
エリアごとの特性を活かす投資戦略
中区などの中心部は取得価格が高くなりやすい一方、流動性や資産性を重視した投資に向くケースがあります。これに対して、安佐南区・安芸区、西区・南区の一部など、駅やバス路線、商業施設、大学、勤務先へのアクセスが確保できる住宅地では、家賃収入(インカムゲイン)を積み上げる戦略に検討の余地があります。ただし同じ区でも、中心部に近い高価格帯のエリアもあれば、駅距離や周辺施設によって需要が変わる場所もあるため、区単位ではなく立地ごとに見ていくのが現実的です。大まかな傾向を下の表に整理しました。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
エリアタイプ 価格・利回りの傾向 検討しやすい戦略 中区などの中心部 価格高め・利回りは低めの傾向 流動性・資産性を重視した投資 郊外〜準郊外の住宅地(安佐南区・安芸区・西区南区の一部など) 価格控えめ・利回りは高めの傾向 インカム重視のキャッシュフロー積み上げ バリューアップと融資戦略
割安な築古物件を取得し、費用対効果の高いリフォームで実質利回りを引き上げるのも有効な一手です。あわせて、広島の地域事情に明るい地元金融機関(地銀・信用金庫)への相談も選択肢になります。地元の金融機関はエリア事情を踏まえた融資相談がしやすい場合があります。ただし、融資の可否や条件は、借入希望者の属性、自己資金、物件の担保評価、事業計画、そして金融機関ごとの審査方針によって変わる点には留意が必要です。
✓ポイント:購入術の核は、「利回りの出やすい物件タイプ」を「インカム向きのエリア」で取得し、「リフォームと融資」で収益性を底上げするという組み合わせにあります。一つひとつの判断を地元の相場観と照らし合わせることで、無理のない収益設計に近づけます。
出典:推計人口|広島市
出口戦略(売却)を見据えた高利回り物件の運用法
高利回り物件で見落としやすいのが、出口(売却)の視点です。どれだけ利回りが高くても、最後に売れなければ投資全体の成果は確定しません。買う前から「売るとき」を意識しておくことが、利回り戦略を完成させる最後のピースになります。
「高利回り=売れない」リスクを避ける
利回りが極端に高い物件は、立地や築年数、再建築の可否などに弱点を抱えているケースがあります。そこで重要になるのが流動性(売りやすさ)です。次の買い手がつきやすい立地か、融資が付きやすい構造・築年数か——こうした条件を取得の段階で確認しておくと、出口で行き詰まりにくくなります。
資産の組み換え(買替)という選択肢
すでに物件を保有しているオーナーの場合、低利回りの物件や手のかかる物件を売却し、広島市の高利回り物件へ組み換えるという発想も有効です。保有資産全体の利回りを引き上げる狙いがありますが、損得は「手残り」で判断することが前提になります。手残りは、売却代金からローン残債や仲介手数料などの諸費用、譲渡所得にかかる税額を差し引いた金額です。ここで注意したいのは、手残りの計算と税金の計算は別だという点です。譲渡所得税は「収入金額−取得費−譲渡費用−特別控除」をもとに計算され、ローン残債そのものを差し引いて求めるわけではありません。
売り時を逃さないための市場把握
売却のタイミングを計るうえでは、減価償却期間の終了や、周辺環境の変化が手がかりになります。減価償却が終わると、課税所得や税引後のキャッシュフローが変化する場合があるため、具体的な売却時期は税理士に確認しながら検討するのが安心です。たとえば新駅の開業や商業施設の誘致といった動きは、エリアの評価が変わる節目になります。広島市のように再開発が続く街では、こうしたチャンスが複数回訪れる可能性があります。
✓ポイント:高利回り物件こそ、「買うとき」と同じ熱量で「売るとき」を設計しておく必要があります。流動性を担保できる物件を選び、税や残債を含めた手残りで判断し、市場の節目を逃さない——この三点が、利回り戦略を絵に描いた餅で終わらせないための条件になります。
出典:No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁
利回り重視の戦略で、広島市での収益基盤を考える
ここまで、広島市で利回りを軸に収益物件と向き合う考え方を整理してきました。最後に要点を振り返ります。
広島市は、取得価格の手ごろさと中枢都市としての需要、そして再開発による底上げが重なり、利回り重視の投資と相性の良いエリアです。物件タイプとエリアを戦略的に選び、リフォームと融資で収益性を高め、出口まで見据えて運用する——この流れを丁寧に積み上げていけば、「月50万円の家賃収入」も現実味のある目標として近づいてきます。もちろん、家賃収入から手元に残る金額や、達成までのスピードは、自己資金や物件選び、運用のしかたによって変わってくるものです。
これから収益物件を購入したい方も、すでに保有している物件の売却・組み換えを考えている方も、まずは地元の市場に精通した専門家へ相談するところから始めてみてください。
広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDでは、広島市の市場特性を踏まえた物件のご提案や、保有物件の査定・組み換えのご相談を承っています。利回りと出口の両面から、無理のない収益基盤づくりの第一歩として活用していただければ幸いです。
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コラム 2026/06/01
広島市で中古マンション投資を検討するなら|エリア選びと出口戦略の考え方
不動産投資を長く続けていくには、安定した利回りと、出口(売却)まで見据えた資産価値の維持が欠かせません。「地方都市への投資はリスクが高いのでは」と身構える方も少なくないはずです。一方で今、広島市の不動産市場には、投資家が注目しておきたい動きが出ています。
結論から言うと、広島市では、取得価格を抑えて利回りを重視したい投資家にとって、中古マンションが有力な選択肢になります。相次ぐ大規模再開発による街の価値向上、中四国地方の中枢都市としての機能集積、そして新築価格の高騰による中古への需要シフトといった要因が、その背景にあります。
この記事では、広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDが、投資家やオーナーの皆さんに向けて、広島市で中古マンションを検討する際の考え方から、物件選びのポイント、出口戦略までを整理して解説します。読み終えるころには、広島市場と向き合うための土台が一通りそろっているはずです。
目次
- 1. 広島市で中古マンションが投資の選択肢になる理由
- 2. なぜ広島市の中古市場なのか?データと再開発が示す将来性
o 大規模再開発によるインフラ整備と地価の底堅さ
o 中枢都市としての機能集積と賃貸需要
o 新築と中古の価格ギャップ - 3. 押さえておきたい3つのポイント:エリアと物件条件の考え方
o ポイント1:需要が見込めるエリアを選ぶ
o ポイント2:ターゲットに合わせた間取りと築年数を見極める
o ポイント3:費用対効果の高いリノベーションで差別化する - 4. 出口戦略(売却)を見据えた物件運用と売り時
o インカムとキャピタルの両にらみで考える
o 売り時のサインを見逃さない
o 保有物件の「今の価値」を把握しておく - 5. 広島市の市場特性を理解し、自分に合った不動産運用を考えよう
広島市で中古マンションが投資の選択肢になる理由
広島市で投資物件を探すとき、候補の一つとして検討したいのが中古マンションです。新築マンションや一棟アパートに目が向きがちですが、収益性と出口戦略を重視する場合、中古マンションが候補になりやすい選択肢だと言えます。
中古マンションが検討されやすい理由は、大きく三つあります。
- 新築価格の高騰によって、割安感のある中古マンションへ買い手・借り手の需要が移っている
- 取得価格を抑えやすく、物件によっては表面利回りが高めに出るケースもある
- 初期費用を抑えながら、リノベーションで価値を上乗せ(バリューアップ)しやすい
たとえば同じ立地・同じ広さでも、新築と築20年前後の中古とでは取得価格に差が生まれます。ただし、表面利回りの高さだけで判断するのは禁物です。東京23区などの大都市中心部と比べて利回りが高く見えても、空室率・修繕費・管理費を差し引いた実質利回りで採算が合うかどうかの見極めが欠かせません。
✓ポイント:中古マンションが候補になりやすいのは、「割安に取得して、手を加えて、相場に合わせて運用・売却する」という一連の流れを組み立てやすい点にあります。新築のブランド力とは異なる、取得価格と運用の自由度という強みに着目するのが入り口です。
なぜ広島市の中古市場なのか?データと再開発が示す将来性
広島市の中古マンションが「これから」も注目される理由は、街そのものの価値が再開発で底上げされている点にあります。物件単体の良し悪しだけでなく、エリア全体が伸びる局面では保有中の値下がりリスクが抑えられ、出口でも有利に働くことがあります。根拠を三つの角度から見ていきましょう。
大規模再開発によるインフラ整備と地価の底堅さ
広島市は「広島駅周辺」と「紙屋町・八丁堀」を二つの核とする楕円形の都心づくりを進めています。主な動きは下表のとおりで、いずれも街の回遊性と集客力を引き上げる内容です。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
再開発プロジェクト 概要 状況・時期 新駅ビル「ミナモア」 地上20階建て。商業・ホテル・シネコンの複合施設 2025年3月24日 開業済み 路面電車「駅前大橋ルート」 広島駅へ路面電車が直接乗り入れ 2025年8月3日 開業済み 「カミハチクロス」 紙屋町・八丁堀に高さ約160mの複合ビル(ホテル・オフィスなど) 2027年度に高層棟竣工予定。開業時期は事業者発表を要確認 ペデストリアンデッキ・大屋根 駅前の歩行者動線を段階的に整備 2029年春ごろまで順次 街が便利になって人の流れが太くなれば、その周辺の賃貸需要や資産価値も連動して支えられる可能性があります。
中枢都市としての機能集積と賃貸需要
広島市全体では、すでに人口減少の局面に入っている点は押さえておく必要があります。一方で、中四国地方の中枢都市として企業・行政・商業機能が集積しており、転勤族や単身赴任者の動きも一定数見られます。都心部や駅周辺など、駅近・生活利便性・適正賃料・管理状態がそろったエリアであれば、賃貸需要を取り込みやすい可能性があります。市全体の人口動向と、エリア単位の需要は切り分けて考えるのが現実的です。
新築と中古の価格ギャップ
新築マンションの価格は、一般層の手が届きにくい水準まで上昇しました。その反動として、築浅から築古まで中古市場全体の流動性が高まり、買い手にも借り手にも選ばれやすくなっています。広島駅の駅勢圏にあたる東区・南区などでは価格が底堅いエリアもみられますが、具体的な水準を判断する際は、国土交通省の不動産価格指数や広島市の地価動向など、対象期間とエリアが明確なデータで確認することをおすすめします。
✓ポイント:再開発は一度きりではなく、2029年ごろまで段階的に続く長期の取り組みです。街の利便性が高まる局面では、その周辺エリアの資産価値や賃貸需要が下支えされる可能性があります。ただし効果はエリアや物件によって差が出るため、再開発の恩恵が及ぶ範囲を見極める視点が欠かせません。
押さえておきたい3つのポイント:エリアと物件条件の考え方
ここからは実践編です。広島市で中古マンション投資に取り組むなら、「エリア」「間取り・築年数」「リノベーション」という三つのポイントを押さえておくと判断がぶれにくくなります。
ポイント1:需要が見込めるエリアを選ぶ
広島市内でまず検討したいのは、中区・南区、そして西区の一部です。路面電車(広電)やアストラムライン沿線、平地で生活利便性の高いエリアは賃貸需要が見込みやすく、売却時にも買い手がつきやすい傾向があります。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
エリア 特徴 主な狙い 中区 紙屋町・八丁堀の都心部。商業・オフィスが集積 単身〜DINKS層の需要 南区 広島駅の駅勢圏。再開発の影響を受けやすい 駅近物件の資産性 西区(一部) 平地で生活利便性が高く価格に割安感 利回りと入居率のバランス ポイント2:ターゲットに合わせた間取りと築年数を見極める
転勤族や単身赴任者を取り込むなら、1LDK〜コンパクトな2LDKが扱いやすい間取りになります。築年数は20〜30年あたりが価格面で検討しやすい一方、年数だけで判断するのは避けたいところです。長期修繕計画の有無、修繕積立金の水準、大規模修繕の履歴、耐震性、管理組合の運営状況といった点を必ず確認したうえで、価格と需要の釣り合いを見ていきます。
ポイント3:費用対効果の高いリノベーションで差別化する
空室対策として設備をすべて入れ替える必要はありません。クロスや床材といった、入居者の第一印象を大きく左右する部分に絞って手を入れるほうが、投じたコストを家賃や入居率で回収しやすくなります。過度な設備投資はかえって利回りを圧迫するため、ほどほどの見極めが肝心です。
✓ポイント:物件選びの軸は、「需要の見込めるエリアで、貸しやすい間取りを、適正なコストで整える」という一貫性にあります。エリア・間取り・リノベの三つがかみ合えば、入居率や売却時の評価を高められる可能性があります。
出口戦略(売却)を見据えた物件運用と売り時
不動産投資のゴールは、家賃収入の積み上げだけでは決まりません。最終的にどう売却して手元にいくら残すか、その出口設計まで含めて初めて成果が見えてきます。購入の時点から売り時を意識しておくことが、長期で見た結果を大きく左右するのです。
インカムとキャピタルの両にらみで考える
毎月の家賃収入(インカムゲイン)を得つつ、売却時の評価(キャピタルゲイン)も視野に入れる二段構えで収支を組み立てます。ただし、売却益を見込む場合でも、譲渡所得税・仲介手数料・ローン残債・修繕費などを差し引いた「手残り」で判断することが大切です。表面的な売却価格ではなく、最終的に手元へ残る金額で出口を設計します。
売り時のサインを見逃さない
売却の好機は、相場が動くタイミングと重なります。周辺の再開発が完了して街の評価が上がった直後や、大規模修繕工事の前後は、判断の分かれ目になりやすい局面です。広島市のように再開発が進行中のエリアでは、その節目が複数回訪れる可能性があります。
保有物件の「今の価値」を把握しておく
売り時を逃さないためには、保有物件のおおよその価値を定期的につかんでおくことが役立ちます。相場は刻々と動くため、年に一度ほど査定を受けて現在地を確認しておくと、判断のスピードが上がります。なお、査定額はあくまで目安であり、売却可能額を保証するものではありません。実際の成約価格は、市況・販売期間・物件状態・買主の条件によって変動します。
✓ポイント:出口で差がつくのは、「売れるとき」ではなく「売るべきとき」に動けるかという点です。再開発の進捗や修繕スケジュールといった外部要因と、保有物件の現在価値。この二つを定点観測しておくことが、納得感のある売却につながりやすくなります。
出典:No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁
広島市の市場特性を理解し、自分に合った不動産運用を考えよう
ここまで、広島市で中古マンション投資に取り組むための考え方を整理してきました。最後に要点を振り返ります。
広島市の中古マンション投資は、エリア選定と出口戦略の設計しだいで、取り組みやすさが大きく変わります。再開発による街の価値向上、中枢都市としての機能集積、新築との価格ギャップといった要因が重なり、中古市場の流動性は高まっています。需要の見込めるエリアで貸しやすい物件を選び、適正なコストで整え、手残りと売り時を見極める——この一連の流れを丁寧に回すことが、無理のない運用につながります。
とはいえ、最適な一手は物件ごと・オーナーごとに変わります。これから投資物件を購入する方も、すでに保有している物件の価値を知りたい方も、まずは地元の市場に精通した専門家へ相談するところから始めてみてください。
広島の不動産売却・投資をサポートする株式会社ASULANDでは、広島市の市場特性を踏まえた査定とご相談を承っています。「今が買い時・売り時なのか」を見極める第一歩として、保有物件の価値診断から気軽にご活用いただければ幸いです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の投資成果や売買価格を保証するものではありません。最終的な投資判断は、最新の公的データや専門家への相談を踏まえ、ご自身の責任で行ってください。


